「概念」と「理念」の違いとは?分かりやすく解釈

「概念」と「理念」の違い二語の違い

「概念」「理念」の違いをご存知でしょうか。

字面も似ており、類語としてもよく紹介される2つですが、実は異なる意味をもちます。

本文では、「概念」「理念」の違いについて、具体例を用いてわかりやすく説明いたします。

「概念」の意味とは?

「概念」とは、ある物事に対し、共通して抱かれている特徴・認識内容を意味します。

例えば、自転車の「概念」について考えてみましょう。

大体の人は自転車を見たら「これは自転車だ」と答えられます。

これは、「タイヤが2つある」「ハンドルがある」「ペダルを漕ぐと前に進む」などの自転車の特徴を理解しており、対象物がこれらの特徴に当てはまると判断して「これは自転車だ」と認識しています。

すなわち、「タイヤが2つある」「ハンドルがある」「ペダルを漕ぐと前に進む」などの特徴が、自転車の「概念」といえます。

「概念」というと何か難しいワードに聞こえますが、ある対象に対して世間一般で共通している特徴・認識と覚えましょう。

「理念」の意味とは?

「理念」とは、物事の道理を意味する「理(ことわり)」と、思いや考えを意味する「念」の二文字でできていることから、物事のあるべき姿、基本の考えを意味します。

例えば、「我が社は、常にお客様の期待を超えることを目指します」という文を例にみると、「お客様の期待を超える」という部分は、この企業の全活動の根本にある、あるべき姿についての考えといえます。

すなわち、この企業のもつ「理念」です。

また、「人生は一回きりなので、やってみたいことには積極的に挑戦する」という文を例にみると、「やってみたいことには積極的に挑戦する」という部分は、この人が大切にしている、人生に対する基本の考えです。

すなわち、この人のもつ「理念」です。

「理念」が用いられる場面は広く、「概念」と同様に定義が難しい言葉ですが、物事について、あるべき姿を表す根本の考え方と覚えましょう。

「概念」と「理念」の違いは?

「概念」「理念」はともに、「ある物事に対する総括的な考え方」という点で似ていますが、しっかり使い分ける必要があります。

使い分けるポイントは、客観的であるか、理想的であるか、という点です。

「概念」は客観的な考え方です。

先述した自転車の特徴は、客観的な事実です。

他にも、「テレビは映像を映す四角い機械です」という「概念」や、「枕は寝るときに頭の下に敷く柔らかい物です」という「概念」も全て、客観的に抱かれている事実、考え方です。

一方、「理念」は理想的な考え方です。

先述した企業の「理念」は、企業のあるべき姿を表しているので、理想ともいえます。

「やってみたいことには積極的に挑戦する」という人生の「理念」も、理想的に抱かれている考え方です。

客観的であるのか、理想的であるのかというポイントをおさえ、使い分けましょう。

まとめ

本文では、「概念」「理念」の違いを、具体例を用いて説明しました。

どちらも社会でよく用いられている言葉ですので、違いをしっかり理解して正しく使い分けましょう。