この記事では、「雑」と「杜撰」の違いを分かりやすく説明していきます。
「雑」とは?
「雑」には2つの意味があります。
一つは、いろいろなものが、いろいろと入り込んでいるです。
「雑の歌」というものがあります。
これは、歌集の部立ての一つで、古今集以降は四季・賀・離別・恋などに属さないものをいいます。
これらに属さない、いろいろなものがあるのです。
こういった、いろいろなものが混ざっていることを「雑」といいます。
もう一つの意味は、細かいことにこだわらず、いい加減なさまです。
料理をするときのことで考えてみます。
レシピには小麦100gと記載されているので、はかりを使ってきっちり100gはからずに小麦を使っています。
ゆで時間は10分と記載されているのに、タイマーで時間をはからず、適当な時間ゆでています。
こういったさまは、細かいことにこだわっていない、つまり「雑」だといえます。
今度は折り紙のことで考えてみます。
折り紙できれいな作品を作りあげるためには、角と角をあわせる、折り目をしっかりつけるなど、細かなところにこだわる必要があります。
角と角にずれがある、折り目をしっかりつけないといったようでは、「雑」な作業といえます。
「雑」の使い方
2つの意味がありますが、2つめの意味で使われることが多いです。
いい加減なさまを指して使用します。
「杜撰」とは?
「杜撰」には2つの意味があります。
一つは、文献などにみえるしっかりしたよりどころがないことを、詩や文章に書くことです。
「撰」という漢字には、詩や文をつくるという意味があります。
もう一つは、物事がいい加減で、正しくないところが多いことです。
アパートのことで考えてみます。
このアパートは、基礎がしっかり作られていない、塗料が乾く前に重ね塗りする、塗料を薄めるなどされています。
このようなことは、本来あってはならないことです。
作業がいい加減といえます。
こういった、いい加減で正しくない行為をいいます。
「杜撰」の使い方
2つめの意味で使われることが多いです。
管理体制、作業、計画などについて使われています。
「雑」と「杜撰」の違い
どちらの言葉にもいい加減という意味が含まれています。
しかし、意味合いは違います。
前者の言葉は、丁寧でないさまのことです。
アイロンを一応はかけているけれど、まだシワが残っているといった、丁寧でないようすを意味しています。
後者の言葉は、いい加減で誤りが多いことです。
単にいい加減なことではなく、正しくないという意味も含まれています。
「雑」の例文
・『雑なつくりで残念だった』
・『雑に扱うからすぐに壊れる』
・『雑にならないように気をつける』
・『料理が雑でおいしくない』
「杜撰」の例文
・『杜撰な作業が問題になる』
・『杜撰な点があらわになる』
・『杜撰な対応』
・『杜撰な計画だから失敗するのだ』
まとめ
いい加減という意味を持つ2つの言葉ですが、意味合いは異なります。