この記事では、日本史などの「成功」と「重任」の違いを分かりやすく説明していきます。
「成功」とは?
「成功」には3つの意味があります。
1つめは、目的としていた通りに物事を成し遂げることです。
ガンの摘出手術のことで考えてみます。
この場合、目的とするのはガンの部分をきれいに取り除くことです。
手術をした結果、他の臓器に大きな損傷を与えず、後遺症を残さず、ガンの部分を取り除くことができれば、手術は「成功」したということができます。
2つめは、物事を最後までうまくやり遂げて、地位や名声を得ることです。
物事をうまく成し遂げることができると、そのことを評価されて、地位や名誉を獲得できることがあります。
うまく成し遂げられなかったときには、このようにはなりません。
3つめは、平安中期以降に盛んになった売官制度のことです。
売官制度とは、金銭や物品などを納めさせて、その代わりに官職を与えることです。
朝廷の行事や寺社の修造費用などは、本来朝廷が負担するものなのですが、国費が不足している状態でした。
そこで、官職につきたい人を募って金銭などを納めさせたり、あるいは自己負担で事業を行わせたりして、見返りに官職を与える制度が行われるようになりました。
これを売官制度といいます。
「成功」の使い方
「せいこう」と読むと1つめの意味や2つめの意味で使われます。
日本史などの「成功」は、「じょうごう」と読みます。
「重任」とは?
「重任」には2つの意味があります。
一つは、重要な任務や職務です。
きわめて大切な果たすべき務めや、きわめて重要な役柄を意味しています。
たとえば職場の場合だと、この人がいなければ仕事ができない、といった人がいると思います。
そういった仕事や役目をいいます。
もう一つの意味は、平安中期以降、国司についているものが、金銭などを納めて、任期を延長することです。
国司というのは、中央から派遣されている諸国の政務を担当する地方官のことです。
国司には、任期が定められているのですが、金銭などを納めれば任期を延長してもらうことができました。
これを「重任」といいます。
「重任」の使い方
日常的には、きわめて重要な仕事・役目という意味で使用されています。
日本史などでは、2つめの意味を指しています。
この場合「ちょうにん」と読みます。
「成功」と「重任」の違い
日本史などの場合は、平安中期ころに行われていた制度を指しています。
前者は、官職についていなかったものを、金銭などを納める代わりに、官職につけることをいいます。
後者は、金銭などを納めさせて、国司の任期を伸ばすことをいいます。
どちらの場合も金銭や物品を納めさせていますが、それによってどうなるのかという点に違いがあります。
まとめ
どちらも平安中期以降に行われていたことです。
金銭や物品を納めさせていますが、それによってどうなるのかという点が違います。