この記事では、「周知」と「共有」の違いを分かりやすく説明していきます。
「周知」とは?
「周りに知る」と書いて、「周知」。
意味は、世間一般に広く知れ渡っていること、広く知らせること、です。
何かものごとにいいて、多くのが知っている状態、状況のこと、多くの人に知らせる行為となります。
このような意味から同じ意味を持つ言葉には、人に知らせるといった意味から「告知」や「案内」、「伝達」などがあります。
「周知」の使い方
「周知」には、「周知徹底」や「周知事項」をはじめ、「周知を図る」、「周知の事実」、「周知のとおり」などがあります。
「共有」とは?
「共に有る」と書いて、「共有」。
「共同所有」の略語となります。
意味は、1つのものを2人以上で一緒に持つこと、共同で持つこと、といった意味となります。
対象となるものは、目に見える物体とは限らず、権利といったものでも「共有」することが可能です。
1つの対象物の所有権を複数人が持っている状態を意味するものとなります。
このような意味から同じ意味を持つ言葉には、「分担」や「配当」、「分配」、「持ち合う」、「分け合う」などがあります。
「共有」の使い方
「共有」には、「共有財産」や「共有ファイル」、「共有スペース」、「共有者」、「共有地」など、何を「共有」しているのかを示す言葉が多くなります。
「周知」と「共有」の違い
何か1つのものを大勢で一緒に管理するといった意味では同じとなる「周知」と「共有」ですが、実際の中身の意味も使い方も全く異なるものとなります。
「周知」は、1つの情報などを多くの人が知っている状態、知らせること、を意味し、「共有」の場合は、1つのものや情報、権利などを複数人で一緒に管理するといったものとなります。
また、「周知」の場合、世間一般の不特定多数の人に用いることができる一方、「共有」の場合は、お互いのことがわかる範囲と限られた範囲の人同士で行うといった違いもあります。
「周知」の例文
・『みなさん、ご周知のとおり、今回、我が社は合併し本社を移転することとなりました。』
・『今回、新しくなったメニューをアルバイトの人たちにも必ず周知させてください。』
・『部長と女子社員が付き合っていることは、部内でも周知の事実です。』
・『様々な感染症へのリスクを考え、手洗いうがい及び消毒といった衛生管理を周知徹底しなければならない。』
「共有」の例文
・『シェアハウスで暮らしているため、共有スペースの掃除は当番制で決められています。』
・『共有ファイルは、社員なら誰でも閲覧可能となっています。』
・『私と母は、この頃、洋服やバッグなどどんなものでも共有することが増えました。』
・『今後のことを考え、兄弟で持つ共有財産を分配することに決めました。』
まとめ
「周知」と「共有」は対する相手も異なり、世間一般の人に対することなのか、限られた人に対することなのか、そのような点にも注意し使い分けなければいけない言葉となります。