「連想」と「想起」はどちらも「何かを思い出す」際に用いられる言葉ですが、詳細な意味や使い方が異なります。
双方の正しい意味や適切な用法を知って、状況に応じて使い分けできるようになりましょう。
この記事では、「連想」と「想起」の違いを分かりやすく説明していきます。
「連想」とは?
「連想」は「想い」を「連ねる」と表記し、「ある特定の物事と関連する物事を思いつくこと」もしくはその想念自体を指す言葉です。
「春といえば桜、桜といえば桜餅」といった例や、「茶色といえばチョコレート、チョコレートといえばバレンタイン」といった例が挙げられます。
「想起」とは?
「想起」は「想い」を「起こす」と表記し、「現在までに経験した出来事を思い出すこと」や「思い起こすこと」といった意味を持ちます。
そのほか、古代ギリシャの哲学者プラトンが提唱した「アナムネーシス」の日本語訳としても知られています。
「連想」と「想起」の違い
「連想」と「想起」は一見すると似たような意味を持つ言葉ですが、「何を思い出すか」という点や「使用する場面」などに違いがあります。
「連想」は「関連性のあるものを思いつく」ことを意味し、「~を連想する」や「連想ゲーム」など日常生活でも一定の使用頻度がある言葉といえます。
一方「想起」は「過去のことを思い出す」という意味を持ち、どちらかというと学術分野で使用されることの多い言葉といわれています。
次に、「連想」と「想起」の違いを分かりやすく解説します。
「連想」の例文
「連想」は関連性や因果関係のある物事を思い浮かべることを指し、名詞や動詞、受動態として使用されています。
フォーマルやカジュアルを問わず、様々な場面で用いられている言葉といえます。
・『暇つぶしのための連想ゲームが思いのほか盛り上がった』
・『俳句を深く理解する際に重要なのは連想である』
・『丸くて白いものを見ると必ずお餅を連想する』
・『その高齢の婦人は田舎にいる母を連想させた』
「想起」の例文
「想起」は「過去に起こった物事を思い出す」という意味があり、学術分野を中心に使用されていますが、状況によっては日常生活で用いられることもあります。
最近では、「想起力」といったフレーズが介護の世界で普及しています。
なお、「想起」も名詞のほかに動詞や受動態としての役割を持っています。
・『金木製の香りは若い頃の切ない思い出を想起させる』
・『桜を見るとわが子の入学式を想起する』
・『想起力とは、過去の記憶を呼び起こす能力のことだ』
・『祖父は、湯飲み茶碗を見ると亡くなった祖母のことを想起するらしい』
まとめ
「連想」と「想起」は同じような意味を持つと思われがちですが、詳細な意味や使用するシチュエーションに違いがあります。
両者の使い分けに迷った際は、「何を思い出すか」という点に着目して判断しましょう。
ぜひ参考にして日本語に対する知識を深めてください。