この記事では、「海抜」と「標高」の違いを分かりやすく説明していきます。
「海抜」とは?
「海抜」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「海抜」は「かいばつ」と読みます。
「海抜」は「海水面から測った陸地の高さ」という意味があります。
また測定の仕方のルールとして、「干潮時と満潮時の年間平均を基準とする」というルールがあります。
「干潮(かんちょう)」は、潮が引き、海水面が最も低くなる現象を指し、「満潮(まんちょう)」はその逆で、潮が満ちて、海水面が最も高くなる現象を指します。
「海抜表示(かいばつひょうじ)」は、その地点の「海抜」を示した標識のことを指し、この標識を見ることで、今いる場所が、海からどの程度の高さにあるのかが一目瞭然となります。
「海抜ゼロメートル地帯」は、「海抜」が0メートル以下の土地のことを意味します。
沿岸部に多く、人口が多い土地ほど、「海抜ゼロメートル地帯」が多くなっています。
「私の家は、海抜ゼロメートル地帯に立っているから、津波が来たらひとたまりもない」などと言うことがあります。
「標高」とは?
「標高」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「標高」は「ひょうこう」と読みます。
「標高」は「ある地点の、平均海水面からの高さ」という意味があります。
日本の場合は、「東京湾」の平均海水面を、「ゼロメートル」としています。
東京湾から見て、どの程度の高さにあるのかで、「標高○○メートル」と言うことができます。
日本一高い富士山は、「標高」3776メートルです、2位は北アルプスの「北岳(きただけ)」で3193メートルとなっています。
「標高が高い地域は、空気が薄くなるため、息が切れやすくなる」などという文章を作ることができます。
また登山の場面では、山頂に向けて歩いていくとき、「標高を稼ぐ」などと言うことがあります。
「海抜」と「標高」の違い
「海抜」と「標高」の違いを、分かりやすく解説します。
「海抜」は「海水面から測った陸地の高さ」という意味があります。
一方、「標高」は「ある地点の、平均海水面からの高さ」という意味があります。
日本の場合は、どちらも、東京湾の平均海面を基準にした高さになっており、「海抜」と「標高」は、基本的に同じ意味となり、富士山は「標高3776メートル」でもあり、「海抜3776メートル」でもあります。
ただし、「海抜」という言葉は、津波や高潮などが起こった時の、災害対策のために使われている言葉で、低い土地は、津波などに注意が必要だというアナウンス効果などを期待しています。
一方「標高」は、山や高原の高さを表示するための言葉になっています。
登山などをする人は、「海抜」ではなく「標高」を見ることになります。
まとめ
「海抜」と「標高」の違いについて見てきました。
高潮や津波など災害対策のための言葉が「海抜」、山や高原の高さなどを知るための言葉が「標高」という違いがあると知っておくといいのではないでしょうか。