どちらにも、あまり耳にしない言葉となる「残滓」と「残渣」。
この記事では、「残滓」と「残渣」の違いを分かりやすく説明していきます。
「残滓」とは?
「残滓」は、「ざんし」または「ざんさい」と読みます。
「残る」という漢字が用いられていることから、何かが残っている様子を意味する言葉ということがわかります。
「残滓」の直接的な意味は、「残りかす」です。
ただし、残りかすは残りかすでも、容器などの底に残っているものを言います。
この場合、良いところ、必要なところを取った後に残ったものを指します。
「残滓」は、「残りかす」と言えるほか、「ゴミ」や「くず」、「残りもの」などと言い換えることができます。
「残滓」の使い方
「残滓の加工処理方法」や「食物残滓」、「残滓回収」、「光の残滓」といった言葉のほか、使い方は、「残滓を取り除く」などとなります。
「残渣」とは?
「残渣」は、「ざんさ」と読みます。
「残る」という漢字が用いられていることから、何かが残っている様子を意味する言葉ということがわかります。
「残渣」は、ろ過や溶解した後の残りかすを指す言葉で、化学的な実験などを行った際に用いる言葉となります。
「残渣」は、「残りかす」と言えるほか、「残留物」、「残余」、「残分」などと言い換えることができます。
「残渣」の使い方
「植物の残渣」や「触媒残渣」、「溶解残渣」。
「残渣を処理する」や「残渣を再利用する」などといった使い方を行います。
「残滓」と「残渣」の違い
残りかすは残りかすでも、「残滓」は、容器などの底に残っているもの。
「残渣」は、ろ過したもののあとに残っているもの。
といった違いがあります。
そのため、日常的に起きる現象なのか。
実験などで起こる現象なのか。
といった違いがあります。
そのうえで、比喩表現に用いることができるのが「残滓」。
用いることができないのが「残渣」といった違いもあります。
このように例えとして用いることができる「残滓」とろ過した後、溶解した後、といったように現実にあるものの対してのみ用いることができる「残渣」といった違いがあります。
「残滓」の例文
・『食物の残滓を堆肥として再利用しています』
・『白い部分だけを食べ食パンに残った耳も残滓と言えます』
・『どうしても、お茶碗に残滓が残ってしまいます』
・『昨夜見た夢の残滓で目覚めが悪い』
「残渣」の例文
・『火災現場では火災の原因を追究するため、残渣物はとても大切です』
・『食品残渣を再利用すれば、肥料や飼料にすることができます』
・『残渣処理にはお金がかかってしまいます』
・『残渣を再利用することは今後の大きな課題です』
まとめ
同じ残りかすでも、それらが意味する違いがあるほか、比喩的表現ができるか、できないか、といった意味でも違いがあります。
そのため、単に言葉の意味の違いだけではなく、比喩表現に対する違いも踏まえ使い分ける必要があります。