この記事では、「上屋」と「倉庫」の違いを分かりやすく説明していきます。
「上屋」とは?
「上屋」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「上屋」は「うわや」と読みます。
「上屋」は、「建築現場などに設けた、仮屋根」という意味があります。
建築現場で、建設途中の建物や、人が待機する場所などが雨風にさらされないように、臨時的につける屋根を、「上屋」と呼びます。
次に、「上屋」には、「駅や埠頭などで、旅客や貨物を、雨露から防ぐためにつけた、柱に屋根をかけただけの建物」という意味があります。
駅の停留所、船がつく発着所などに、柱を立てて屋根があるだけの建物があり、雨が降った日でもびしょ濡れにならず、移動することができます。
このような建物を「上屋」と呼びます。
荷捌きをしたり、中継作業などをするため、荷物を一時保管したり、通関業務などに使用される施設のことも「上屋」と言います。
民間業者が整備、運営するタイプの「上屋」と、港湾管理者が運営管理する、「公共上屋」があり、さらに輸出入貨物をおいておける上屋を、「保税上屋」と呼びます。
「倉庫」とは?
「倉庫」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「倉庫」は「そうこ」と読みます。
「倉庫」は「貨物や物品などの貯蔵、保管をするための建物」という意味があります。
大きな建物には、必ずと言っていいほど「倉庫」があり、普段は使わないけれど、必要な時に取り出すことができるよう、物品を入れておく「倉庫」があります。
例えば、美術館にも、展示していない絵画や彫像などをしまっておく「倉庫」が用意されています。
次に「倉庫」は、「法律で、倉庫営業者が、他人の物品を保管するために設けた建物」という意味があります。
他人のために物品を倉庫に保管することを目的として、営業することを「倉庫営業」と呼びます。
さらに、「倉庫営業」を行う会社を「倉庫会社」と言います。
このような倉庫営業者が、設置した建物を「倉庫」と呼びます。
「上屋」と「倉庫」の違い
「上屋」と「倉庫」の違いを、分かりやすく解説します。
「上屋」には、「駅や埠頭などで、旅客や貨物を、雨露から防ぐためにつけた、柱に屋根をかけただけの建物」という意味があり、荷物を一時保管することができます。
例えば「保税上屋」は、輸出入貨物を一時的に保管することができます。
そのため、「貨物や物品などの貯蔵、保管をするための建物」という意味がある「倉庫」と役割がよく似ているため、混同されるかもしれません。
ただし「倉庫」はいつまででも荷物を保管できるのに対して、「上屋」は、一時的な保管を行う場所なので、役割が違います。
さらに、「上屋」は、港湾運送事業法に、「倉庫」は、倉庫業法に属するという、法律上の違いもあります。
まとめ
「上屋」と「倉庫」の違いについて見てきました。
似た印象の建物ですが、大きな役割の違いがあることが分かりました。