「還す」と「返す」は類似した意味のイメージを持っていてまったく同じ読み方をする同音異義語ですが、「還す」と「返す」の意味の違いを正しく理解できているでしょうか?
この記事では、「還す」と「返す」の違いを分かりやすく説明していきます。
「還す」の意味や使い方
「還す」という表現は、「根本的な状態・自然な状態に戻すこと(還元すること)」や「死なせることなく、生存した状態で帰らせること(生還させること)」を意味しています。
「還す」には「生還させる」の意味から派生して、「(途中でランナーをアウトにされることなく)野球でランナーを本塁へ戻らせること」という意味合いもあります。
「還す」の表現の使い方は、「動物の遺骸を自然に還す」のように、「自然な状態へと戻す時」に使う使い方になります。
また「無事に祖国に還らせる」のように、「死なせずに生還させる場合」にも使用することができます。
「返す」の意味や使い方
「返す」という表現は、「元の状態に戻すこと・元の所有者に戻すこと」や「手紙(メール)に返事を出すこと・同じような行為で応答するさま」を意味しています。
「返す」には、「元いた場所に帰らせる」の意味合いもあります。
「返す」の表現の使い方は、「本を図書館に返す・借金を返す」のように、「元の状態に戻す場合」に使う使い方になります。
また「メールに返事を返す・借りを返す」のように、「手紙に返事を出す時・同じ行為で応える場合」にも、「返す」の表現を使うことができます。
「還す」と「返す」の違い
「還す」と「返す」の意味の違いを、分かりやすく解説していきます。
「還す」という表現は、「自然(大地)に還す」のように「根本的な状態(自然の状態)に戻すこと」を意味しています。
「還す」の言葉には、「戦闘地帯から必ず無事に還す」のように「(死なせることなく)生きた状態で帰らせること・生還させること」の意味合いもあります。
それに対して、「返す」という表現は「スマホを持ち主に返す」のように「元の状態に戻すこと・元の所有者に戻すこと」を意味しています。
「返す」には、「メールに返事を出すこと・同じような行為で応答すること」、「元いた場所に帰らせること」などの「還す」とは異なる一般的な意味合いがあるのです。
「還す」を使った例文と意味を解釈
「還す」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「私がこの先亡くなった時には、大げさな葬儀などは不要ですから、どうか私の遺骨を故郷の土に還してください」
この「還す」を使った例文は、「還す」の表現を、「どうか私の遺骨を故郷の土へと戻してください(故郷の土の一部となって還元できるようにしてください)」という意味を持つ文章で使用しています。
「返す」を使った例文と意味を解釈
「返す」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「仕事関係のメールを受信した時には、できるだけその日のうちにすぐに返事を返すようにしています」
この「返す」を使った例文は、「返す」の表現を、「できるだけその日のうちにすぐに返事を出すようにしています(相手と同じようにメールを返信しています)」という意味合いで使っています。
まとめ
「還す」と「返す」の意味の違いを詳しく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「還す」というのは、「根本的な状態(自然の状態)に戻すこと」や「(死なせることなく)生きた状態で帰らせること」を意味しています。
それに対して、「返す」というのは「元の状態に戻すこと・元の所有者に戻すこと」や「手紙(メール)に返事を出すこと・同じような行為で応えること」、「元いた場所に帰らせること」などを意味しています。
「還す」と「返す」の意味の違いを調べたい時には、この記事の解説をチェックしてみてください。