現在までの長い歴史の中で、判明しているのは反社会的勢力(反社)は時代や状況に柔軟に対応してその形を変え続けてきたことです。
そう言った意味では、名称としてもたくさんのものがあります。
「地回り」や「ならず者」もその中の一つです。
それでは、「地回り」、「ならず者」とはどう言う意味でしょうか。
違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「地回り」と「ならず者」の違いを分かりやすく説明していきます。
「地回り」とは?
「地回り」とは、文字通り「地元を回っている人」のことです。
元々は「さまざまな土地を渡り歩いて商売する人」と言う意味で使われていましたが、現在では所謂、反社会的勢力と呼ばれる人たちの一種で、「地元の飲食店や建設現場などを回って金銭を脅しとる人のことを表すことがほとんどです。
活動としては地元に根付いたもので、代々権利が受け継がれることもあります。
「ならず者」とは?
「ならず者」とは、「成らず者」であり、元々は「暮らしが思うように成らない人」と言う意味でした。
現在では、ゴロツキや荒くれ者などの「手に負えないことをする人」を表すようになっています。
「破落戸」と言う文字を当てることもあります。
英語では、「dsperado」とか「rogue」と言う言葉がありますが、どちらも「ならず者」とはニュアンスが違います。
「地回り」と「ならず者」の違い
「地回り」と「ならず者」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは、所謂、反社会的勢力と呼ばれている人たちの一部を表しているもので、大きな括りでは同じと言っても良いでしょう。
しかし、大きな違いは良く無いことをしている様や場所です。
「ならず者」が「手に負えないようなことをこれみよがしに行う」人を指すのに対して「地回り」は、「地元を回りながら金銭をせびる」人と言うことになります。
そう言った意味では、「地回り」が地元密着型であるのに対して、「ならず者」の活動範囲は地元だけではないとも言えます。
「地回り」の例文
「地回り」の例文は以下のようになります。
・『地回りは以前は土木現場によく出現していました』
・『地回りは直接的な脅しは行わず、ギブアンドテイクの構造をチラつかせることが多いと言えます』
「ならず者」の例文
「ならず者」の例文は以下のようになります。
・『地元の有力者は数人のならず者を雇っています』
・『ならず者は定職につかず、周りの人に迷惑をかけて生活しています』
まとめ
この記事では、「地回り」と「ならず者」の違いを、解説してきました。
反社会的勢力と言う言葉が頻繁に使われるようになったのは、やはり「オレオレ詐欺」等に代表されるような組織的な詐欺行為が増加してきたことも原因として考えられます。
そういう意味では、昔から地域で幅を利かせてきた、一目でそれとわかるような「地回り」や「地元のならず者」は減ってきているのかもしれません。