似ているようで意味が全く違う言葉のひとつに「置き引き」と「置き忘れ」があります。
具体的にはそれぞれどのような意味なのでしょうか。
今回は、「置き引き」と「置き忘れ」の違いについて解説します。
「置き引き」とは?
「置き引き」とは、「置いてある荷物を所有者の同意を得ることなく無断で持ち去る窃盗行為」を指す言葉です。
「足元に置いておいた荷物がちょっと目を離した隙に無くなってしまった」「場所取りのために座席に残しておいた荷物が戻ってきたら消えていた」など「荷物から目を離したスキを見計らって盗むこと」を「置き引き」といいます。
「置き引き」にはいくつかのパターンがありますが大別すると「足元にある荷物を盗む」パターンと「堆積している間に盗むパターンのふたつに分けられます。
どちらも窃盗に該当する犯罪行為です。
「置き引き」は窃盗の方法としては古典的手口であり世界各国で動揺の犯罪が報告されています。
相手が目を離しているスキに荷物を盗むという非常に単純な手段であり実行するのに特別な技術がいらないことからあまり高度な犯罪として見られていませんが、実際に被害にあったものからすれば出先で突然大切な荷物をすべて失ってしまうことになるため被害は深刻です。
「置き引き」の使い方
・『置き引きが多発しているのでお手回り品の管理にご注意ください』
・『置き引きされないように荷物からは常に手を放さないことにしている』
・『海外ではスリや置き引きに警戒するように指導する』
・『大切な荷物を置引きされたので警察に被害届を出す』
「置き忘れ」とは?
「置き忘れ」とは、「置いたまま持っていくのを忘れてしまうこと」を意味する言葉です。
その場に自分で持ってきた荷物など「移動するときに持っていかなければならないものを置いたままで移動してしまうこと」を「置き忘れ」といいます。
ほとんどの場合はうっかりミスであり気がついて慌てて取りに戻ったり忘れ物センターに問い合わせたりするなど取り戻すための努力が行われます。
意図して行われるものではない失敗を意味する言葉ですが、そもそもの原因となる「その場に置く」という行為が自分始まりであり、原因から結果まで他人が介在することなくすべて自分一人で完結します。
「置き忘れ」の使い方
・『教室にノートを置き忘れてしまった』
・『家の玄関前で自宅のカギを会社に置き忘れてきたこと気づいた』
・『置き忘れた品物を管理センターで預かる』
・『スマホを置き忘れる人が多いので確認を促す張り紙を掲示する』
「置き引き」と「置き忘れ」の違い
「置き引き」と「置き忘れ」の違いは「窃盗行為であるか否か」です。
「置き引き」は置いてある荷物を盗む窃盗行為を意味します。
悪意のある人間が他人の財物に当たる荷物を盗むことを指す犯罪行為を表す言葉です。
「置き忘れ」は荷物などを置いた事を忘れてその場を離れてしまう行為を意味します。
持っていくべきものを持っていかないという失敗を指す言葉です。
置いたままになっている荷物は「置き忘れ」ですが、その荷物を所有者以外が無断で持ち去ると「置き引き」となります。
まとめ
「置き引き」と「置き忘れ」では全く意味が違います。
混同しないようそれぞれの言葉の意味を正確に覚えておきましょう。