この記事では、「調節」と「制御」の違いを分かりやすく説明していきます。
「調節」とは?
物事に手を加えて、ほどよい状態に整えることです。
物事についての言葉で、意見や態度についての言葉ではありません。
お風呂に入るときには、湯の温度がちょうどよいように整えます。
熱すぎればやけどをしてしまい、冷たすぎると体が冷えてしまいます。
蛇口をひねって出てくる水は、いつもちょうどよい温度とは限りません。
そのため、浴槽に入れた水を温めて、ちょうどよい状態にします。
また、ちょうどよく入れた湯でも時間が経つと冷めてしまうので、後から入るときには温度を整えます。
このことを「温度調節」といいます。
今度はガスコンロの火力で説明をします。
おいしく料理を作るためには火加減が重要です。
強すぎれば焦げてしまい、弱すぎれば十分に火が通りません。
また、強すぎたり弱すぎたりすれば、食感が悪くなります。
ステーキを焼くときにはステーキを焼くのに適した火力があり、野菜炒めを作るときには野菜炒めを作るのに適した火力があるのです。
ちょうどよい火力に整えることを「火加減を調節する」といいます。
「調節」の使い方
物事に手を加えて、ちょうどよい状態に整えることという意味で使用をします。
悪いところを直して整えることではありません。
「制御」とは?
「制御」には2つの意味があります。
ひとつは、相手をおさえて自分の意思の通りに整えることです。
そのままにしておくと望ましくない状態になる可能性があるのでおさえる、といった意味になります。
怒りの感情は好ましくないものだとされており、何も考えずに出すことも好ましくないとされています。
怒りは自分でおさえることができます。
これを「怒りの感情を制御する」といいます。
もう一つの意味は、機械・化学反応・電子回路などを、目的の状態にするために手を加えて整えることです。
自動車が暴走をしたら、事故にあう可能性があり危険です。
速度が出すぎていると事故にあいやすいです。
速度が出すぎないように整えるシステムを装備している自動車があったとします。
これは「速度制御」「運転を制御」といいます。
「制御」の使い方
そのままにしていると望ましくない状態になる可能性があるので、手を加えてちょうどよいようにと整えることを指して使用します。
「調節」と「制御」の違い
ちょうどよいように整えるという意味が似ていますが、使い方に違いがあります。
「調節」はほどよい状態に整えることです。
「制御」は行き過ぎないように整えることや、そのままにしていると悪いことになるかもしれないので整えることを意味します。
「調節」の例文
・『簡単に調節できます』
・『エアコンの温度を調節する』
・『サイズを調節する』
・『音量を調節する』
「制御」の例文
・『制御がきかない』
・『自動で制御』
・『制御システム』
・『食欲を制御する』
まとめ
整えるという意味が似ている2つの言葉ですが、ニュアンスが異なり、使い方も異なります。