「名ばかり管理職」と「管理監督者」の違い

「名ばかり管理職」と「管理監督者」の違い言葉・カタカナ語・言語

最近ベンチャー企業や若い経営陣が立ち上げた会社においては、日本の経済成長期から長く主流であった年功序列という考え方が改められ、実力主義を掲げる会社が多くなっています。

そのような会社では管理職も適材適所で、結果として「名ばかり管理職」というのは影を潜めて、本来の「管理監督者」が管理職になっています。

この記事では、「名ばかり管理職」「管理監督者」の違いを分かりやすく説明していきます。

「名ばかり管理職」とは?

「名ばかり管理職」とは?

「名ばかり管理職」とは、文字通り「名前だけの管理職」のことです。

言い換えれば、「行っている業務や責任は管理職と言えないのに、役職だけは管理職である人」ということになります。

なぜこのような処遇になるかというと、労働基準法上で「管理職(正確には監督管理者という定義)には労働時間や、休日などに関する通常の規定を適用しなくて良い」ことになっているので、管理職にしてしまえば残業代や休日手当等を支払う必要がなくなるからです。

「管理監督者」とは?

「管理監督者」とは?

「監督管理者」とは、前述のように、「労働基準法で定義されている、一般には管理職と呼ばれている人」のことを言います。

定義としては「他の職員や組織を管理、監督する業務を行っている人」ということになります。

このような立場の人たちには、一般的に管理職として求められる業務的なスキルを有していて、その責任を全うできることが必要となります。

「名ばかり管理職」と「管理監督者」の違い

「名ばかり管理職」と「管理監督者」の違い

「名ばかり管理職」「管理監督者」の違いを、分かりやすく解説します。

この2つは、所謂「管理職」と言われる人の呼び方であるという点では同じですが、根本的に定義が違います。

「名ばかり管理職」とは、「本来の管理者としての職務内容でないにもかかわらず管理職として扱われている人」のことで、「管理監督者」とは、「労働基準法上で定義された管理職に就いている人」のことです。

つまり、「名ばかり管理職」とは、「形だけの管理職」と言っても良いでしょう。

「名ばかり管理職」の例文

「名ばかり管理職」の例文

「名ばかり管理職」の例文は以下のようになります。

・『あの人はキャリアだけは長いので、名ばかり管理職にされて残業代を払ってもらっていません』
・『名ばかり管理職とは、雇用者側が経費を削減するために考え出された方法です』

「管理監督者」の例文

「管理監督者」の例文

「管理監督者」の例文は以下のようになります。

・『監督管理者とは、他の従業員を監督、管理する立場と責任を負っている人です』
・『管理監督者というのは労働基準法上の名称です』

まとめ

まとめ

この記事では、「名ばかり管理職」「管理監督者」の違いを、解説してきました。

経営側の安易な経費削減対策としての「名ばかり管理職」が多い職場は結局、組織全体としての仕事に対するモチベーションが下がることにもなり、さらに昨今問題となっている「企業コンプライアンス」に照らしても問題であることは明白です。

したがって今後はどんどん少なくなって行くものと考えて良いでしょう。