数や量の度合いを意味することまではわかる「多少」と「若干」は、どのように使い分ければ良いのか。
この記事では、「多少」と「若干」の違いを分かりやすく説明していきます。
「多少」とは?
「多少」は、多いという漢字と少ないという漢字を用います。
そのため、漢字だけを見れば、多いのか、少ないのか、どちらなのか、と思ってしまいます。
その疑問通りで、「多少」は、数量の多いことと少ないことを意味する言葉となり、その程度を表す際に用いられるものとなります。
ただし、これは、「多少」を名詞として用いる場合となり、副詞として用いる場合の意味は、「少し、わずか」となります。
この場合、0ではありません。
「多少」には、それぞれの意味に応じた類語があります。
「少量」や「やや」、「若干」、「微量」、「多かれ少なかれ」などです。
「多少」の使い方
数量の多いことや少ないこと。
または、少し、といった意味で用いられる「多少」。
「多少名の知れた」や「多少若い」、「多少の時間」といったように用います。
「若干」とは?
「若干」は、はっきりしないものの、それほど多くない数量を表す言葉です。
数量は明確ではないものの、さほど多くはないということだけはわかっている状態では、「若干」を用いることができます。
「若干」には、「少々」や「微量」、「ほんのわずか」などといった類語があります。
「若干」の使い方
「若干」は、「若干名」や「若干の問題」、「若干20歳」、「若干早く終わる」といったように用います。
「多少」と「若干」の違い
数量を表す言葉ですが、それぞれが持つ言葉には異なった意味があります。
「多少」は、名詞で用いる場合、多いこと、少ないこと、を意味し、副詞で用いる場合は、少し、といった意味になります。
「若干」は、それほど多くない数量を意味し、その量は明確ではありません。
このように、「多少」は、その量が多いこと、少ないこと、を意味しますが、「若干」は、少ない量のみを表す言葉といった違いがあります。
「多少」の例文
・『多少、お時間を頂いてもよろしいでしょうか。すぐにお調べいたします』
・『私は、地元では多少名の知れた有名人です』
・『多少英語が話せるからと、自慢する彼のことが苦手です』
・『当社では、注文の多少にかかわらず同じサービスをさせていただきます』
「若干」の例文
・『彼は若干20歳の若さでこの世を去りました』
・『仕事が若干早く終わったので、待ち合わせ場所に早くついてしまいました』
・『味は若干辛めですが、いかがですか』
・『この機械には若干の問題がありまずが、機能には問題はありません』
まとめ
2つの言葉には、以上のような違いがあります。
同じ数量を表す言葉ですが、それぞれ意味が異なります。
「多少」は、多い、少ない。
「若干」は、それほど多くない数量です。
そのことを踏まえ、どの程度や量を意味しているのかに対し使い分けが必要です。