この記事では、「多彩」と「豊富」の違いを分かりやすく説明していきます。
「多彩」とは?
「多彩」には2つの意味があります。
ひとつは、色の種類が多いことです。
色がたくさんあり、美しい場合をいうことが多いです。
多いとはどれくらいなのか意味に含まれていません。
しかし、2種類や3種類くらいのことは、この言葉が指すものではないです。
テーマパークのパレードで使われるネオンサインがこれにあたります。
テーマパークのパレードに使用されるネオンサインには、赤、黄、緑、青、ピンク、白、紫など、さまざまな種類の色が使われます。
そして、美しいです。
黒、灰色、茶色、カーキ、墨色、チャコールグレー、アッシュグレーなどいくつもの色がある場合、これは色の種類が多いといえますが、いろどりがそれほど美しくないため「多彩」とはあまりいいません。
もう一つの意味は、変化や種類が多く活気があること、またそのさまです。
多いとはどれくらいなのか意味に含まれていません。
ホテル内の飲食店のことで説明します。
このホテルには、3つ星レストラン、和食レストラン、中華店、カフェ、バー、バイキングなど、いろいろと食べられる場所があります。
種類が多いといえるでしょう。
このようなさまを意味します。
「多彩」の使い方
色の種類が多い、変化や種類が多くて活気があるという意味で使用をします。
色については美しい場合、変化や種類については活気がある場合に使うことが多いです。
「豊富」とは?
不足することなく十分にあること、またそのさまです。
食品の中には、タンパク質を多く含むものや、そうでないものがあります。
タンパク質が多い食品には、魚、肉、卵、大豆などがあり、タンパク質が少ない食品には、野菜や果物などがあります。
タンパク質は人間の体を構成したり、ホルモンの材料になったりするなくてはならないものです。
それを不足することなく含んでいるもの、補えるものを「タンパク質が豊富な食品」といいます。
今度は飲食店の朝食メニューで説明します。
朝食メニューというと、トーストとコーヒーのセット、トーストとスープのセットなど、数種類程度しかおいていない店が少なくありません。
ある店では、トースト、オムレツ、サラダ、スープ、シリアル、ご飯、焼き魚、納豆、ゆで卵、半熟卵、カレー、パンケーキなど、朝食メニューとしていろいろなものを提供していたとします。
これは、一般的な飲食店よりもメニューが多く、「メニューが豊富」ということができます。
「豊富」の使い方
不足することなく十分にあるさまを指して使用します。
人の数が多いことには使用しません。
「多彩」と「豊富」の違い
「多彩」は色、種類、変化についての言葉で、こういったものが多いことや、そのさまを意味しています。
「豊富」は十分であることです。
「多彩」の例文
・『多彩な機能』
「豊富」の例文
・『豊富な知識』
まとめ
一方は色や種類などが多いこと、もう一方は十分であることを意味しており、意味合いが異なります。