この記事では、「知覚」と「五感」の違いを分かりやすく説明していきます。
「知覚」とは?
「知覚」には2つの意味があります。
ひとつは、物事の道理や善悪などを正しく判断する力を持って知ることです。
「智覚」とも書きます。
「知」は、しる、さとる、物事を考える能力、「覚」は、さとる、道理を知るという意味を持つ漢字です。
もう一つは、感覚器官を通して体の外側や内側の状態を知る働きです。
刺激は、刺激を受け取る器官によって受け取られます。
たとえば、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、平衡感覚、内臓感覚などです。
視覚は見るためのもので、ここで味を感じることはできません。
味覚は味を感じるためのもので、ここでは見ることはできません。
このように刺激を受け取る器官には、それぞれ役割があります。
こういった器官が受け取った刺激に意味をつけて知ることが「知覚」です。
舌に物が触れただけでは、甘い、酸っぱいなどを知ることはできません。
何らかの刺激を受けて、それが信号となって脳に伝わり、脳が処理して認識することで甘い、酸っぱいなどがわかります。
刺激を受けるだけでなく、処理されることで、刺激がどういったものかを知ることができるのです。
「知覚」の使い方
感覚器官が刺激を受けて、外界や身体内部の状態を知ることを指して使用することが多いです。
物事の道理などを正しく判断する力を持って知ることの意味では、日常的にはあまり使用されません。
「五感」とは?
5つの感覚のことです。
すなわち、視・聴・嗅?・味・触のことです。
感覚とは、刺激を感じとる働きと、それを知る働きを意味します。
たとえば、氷が皮膚に触れて冷たいと感じる、お湯に手を入れて熱いと感じるなどをいいます。
人間には5つの感覚があり、これらを通して外界の状態を認識しています。
視覚は目、聴覚は耳、嗅覚は鼻、味覚は舌、触覚は皮膚が担当しています。
「五感」の使い方
生物が備えている5つの感覚を指して使用する言葉です。
視・聴・嗅?・味・触を指します。
何となく直感でわかることは第六感といわれることがあります。
これは「五感」に含まれません。
「知覚」と「五感」の違い
2つの言葉が指すものは認識にかかわるものです。
「知覚」は外界や身体内部の状態を知る働きのことをいいます。
感覚器官を指しているのではなく、感覚器官を通して認識する働きを指します。
平衡感覚なども含まれます。
また、正しく判断する能力を持って知るという意味もあります。
「五感」は5つの感覚のことです。
視・聴・嗅?・味・触以外のものはいいません。
「知覚」の例文
・『知覚が鋭敏になっている』
・『知覚過敏』
・『動物にも知覚がある』
・『体の傾きを知覚する』
「五感」の例文
・『五感を働かせる』
・『五感が鈍っている』
・『五感を使って自然を楽しむ』
・『五感を使って幸せを感じる』
まとめ
どちらの言葉も感覚にかかわるものですが、意味合いが異なります。