インターネットで世界のあらゆる情報がほぼリアルタイムで見られるようになると、重要なのは言語の違いをどう吸収するかということになります。
最近では機械翻訳も一般的になってきましたが、まだ人間による翻訳には、かないません。
そういう状況では抄訳として一部のみを翻訳することもあります。
それではこの「抄訳」や「翻訳」とはどういう意味でしょうか。
また、違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「抄訳」と「翻訳」の違いを分かりやすく説明していきます。
「抄訳」とは?
「抄訳」とは、「抄」に「抜き出す」という意味があるために、合わせると「抜き出して訳す」という意味になります。
言葉を変えると「原文の一部だけを翻訳する」とも言えます。
「抄訳」には色々な目的がありますが、大きなものとしては全てを訳す必要がない場合か、読み手のことを考えて全てを訳さないかのどちらかです。
ニュースの原稿などは文学作品と違って一言一句に大きな意味があるわけではないので、内容を的確に伝えるためには全てを訳す必要はありません。
また、読み手が児童などのような場合にはそのままの完訳では難しすぎると判断して「抄訳」にする場合もあります。
英語では、「abridged translation」と言います。
「翻訳」とは?
「翻訳」とは、一般的には「ある言語の文章を別の言語に変える」ことを表す言葉です。
「翻」という感じには「ひるがえす」という意味があるので、元々はある状態のものを別の状態に変化させるという意味がありました。
言語の意味をそのままの形で別の言語に変えることを「直訳」、そのままではなく伝えたいことが正しく伝わることを考慮して変化させることを「意訳」と言います。
通常の翻訳はこの2つのやり方を組み合わせて行うことが多いのが現実です。
英語では「translation」と言います。
「抄訳」と「翻訳」の違い
「抄訳」と「翻訳」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉はある言語の文章を他の言語に変換することを表す言葉ですが、その違いは集合で考えれば明白です。
つまり、「抄訳」は「翻訳」という言葉が示す集合の一つということになります。
言葉を替えれば、「原文の一部だけを翻訳するのが抄訳」ということになります。
つまり「翻訳」には「抄訳」だけではなく、完全に翻訳する「完訳」などもあります。
「抄訳」の例文
「抄訳」の例文は以下のようになります。
・『原文は長大な内容なので、子供向けの抄訳として出版しました』
・『抄訳には翻訳だけでなくさまざまなスキルが必要とされます』
「翻訳」の例文
「翻訳」の例文は以下のようになります。
・『機械翻訳が一般的になっていますが、場合のよっては全く意図しないような結果になることもあります』
・『翻訳家になるにはさまざまなハードルがあります』
まとめ
この記事では、「抄訳」と「翻訳」の違いを、解説してきました。
「抄訳」が一般的になった背景にはインターネットなどでのニュースサイトの増加があるでしょう。
さらに、最近ではそれらのニュースサイトは分野によって細分化されており、例えば中国のアニメ専門のニュースサイトなどもできるようになって、分野ごとのスキルのある翻訳家の必要性が増してきています。
この潮流は今後もあらゆる分野に広がって行くでしょう。