物などを人に譲る際に耳にする事が多い「転売」と「譲渡」は、何が異なるのか。
この記事では、「転売」と「譲渡」の違いを分かりやすく説明していきます。
「転売」とは?
「転売」とは、自身が買ったもの、持っているものを他の人に売り渡すことを意味します。
売り渡すということは、そこの代金の支払いは発生します。
相手から必ず代金を受け取ることとなり、決して、無償で渡すことはありません。
ただし、その金額は両者の話し合いで決定することも可能で、いくら以上でなければ「転売」にはならないということはありません。
いわば、お店ではなく個人単位で何かを売りさばく行為が「転売」です。
その中には、不用になったものから「転売」目的で購入し、「転売」といったものまで含まれます。
「転売」の使い方
「転売」は、「転売する」、「転売した」といった使い方だけではなく、「転売目的」や「転売防止」、「転売品」などといった言葉があります。
「譲渡」とは?
「譲渡」とは、他人に自分が持っているものを譲り渡すことを意味します。
主に財産や土地などの権利といったものを他人に譲り渡す際に「譲渡」という言葉が用いられ、ここに見返りの有無は関係ありません。
無償で譲り渡す際にも「譲渡」。
代金を支払い譲り渡す際も「譲渡」。
物々交換のような場合も「譲渡」となり、無償、有償に関係なく、譲り渡す行為が「譲渡」となります。
「譲渡」の使い方
「譲渡」は、「譲渡する」、「譲渡した」といった使い方だけではなく、「譲渡人」や「譲渡所得」、「譲渡証明」、「譲与禁止」などといった言葉があります。
「転売」と「譲渡」の違い
「転売」には必ず代金の支払いが発生しますが、「譲渡」の場合、代金の支払いの有無は問いません。
無償でも有償でも「譲渡」といった言葉を用います。
そのうえで、「転売」の場合、本やCDなどといった安価なものでも用いることができますが、「譲渡」の場合は、基本的に安価なものに対して用いられる言葉ではなく、財産や権利といったものに用いられるものとなります。
「転売」の例文
・『彼は、ネットを活用し転売目的で様々な商品を購入しています』
・『転売目的で人気商品を購入されてしまうと、一般の人が定価でその商品を購入することができず困ります』
・『チケットの転売は固く禁止しております』
・『引っ越しする際に出た不用品を転売するため、フリマアプリに掲載しました』
「譲渡」の例文
・『子供が結婚するにあたり、余っていた土地を譲渡することにしました』
・『無償での譲渡を検討していましたが、譲渡相手からの申し出で、少しだけお金を頂く事にしました』
・『我が社が持っている権利を譲渡することで、何とか今の不景気をしのぐことができそうです』
・『後々、トラブルにならないために譲渡契約書を作成することにしました』
まとめ
以上が、「転売」と「譲渡」の違いです。
代金の支払いの発生の有無などを踏まえ、適した使い方が必要です。