「宿願」と「念願」の違いとは?分かりやすく解釈

「宿願」と「念願」の違い言葉・カタカナ語・言語

「宿願」「念願」はどちらも「何かを強く願うこと」を表す言葉ですが、細かな意味合いが異なるため場面に応じて使い分ける必要があります。

この記事では、「宿願」「念願」の違いを分かりやすく説明していきます。

「宿願」とは?

「宿願」とは?

「宿願」「宿」には「以前からの」という意味があり、「宿願」「かねてから抱いていた強い願望」「かねがね神仏に願っていた物事」を意味します。

また、仏教では「前世で神仏に祈願したこと」を示す言葉として使用されています。

「念願」とは?

「念願」とは?

「念願」「念」には「想念」「願うこと」といった意味があり、「念願」「常に何かを強く願うこと」「強い願いそのもの」を意味する言葉です。

そのほか、「長い期間ひたすら望んでいること」という意味も持ち合わせています。

「宿願」と「念願」の違い

「宿願」と「念願」の違い

「宿願」「念願」は双方とも「何かを長い期間にわたって強く願うこと」という意味を含む言葉ですが、「願い事に対する気持ちの強さ」に違いがあります。

「宿願」は仏教において「前世から神仏に祈願していたこと」という意味で使用されているように、「時を超えても願い事が実現することを切望している」といったニュアンスがあり、「念願」よりも切望する気持ちが強い願い事に対して使用すると考えられています。

「念願」「宿願」よりも切望の度合いが低い場合に使用しますが、その分幅広い願い事に対して使用できるイメージです。

「宿願」の例文

「宿願」の例文

「宿願」「かねてから切望していたこと」を意味し、仏教では「前世から神仏に祈願していたこと」を示す言葉として知られています。

「念願」よりも望んでいる気持ちや願い事への思いが強い場合に使用するのが一般的とされています。

名詞に分類されることから、「宿願が叶う」「宿願を果たす」といった使われ方をしています。

・『10年に渡る宿願をようやく果たした』
・『経験や財力が十分に備わったため、宿願を叶えることが可能となった』
・『長年にわたる努力が実り、宿願だった舞台に出演することが決定した』
・『ほんの気の緩みのせいで、宿願を達成する機会を逃した』

「念願」の例文

「念願」の例文

「念願」には「一心に何かを願うこと」「常に何かを強く願うこと」といった意味があり、「宿願」と比べて切望する気持ちの度合いが低い場合に使用します。

名詞としての役割があり、「念願が叶う」「念願の~」といった使われ方をしているほか、「念願する」と動詞的に用いられるケースもあります。

・『念願が叶ってイギリスに留学することが決まった』
・『家を増築し、念願だった自分専用の書斎を手に入れた』
・『趣味で油絵を描いており、このたび念願の個展を開くことになった』
・『念願していた同窓会が開催されることになった』

まとめ

まとめ

「宿願」「念願」は似たような意味を持つ言葉ですが、「切望する強さの度合い」に違いがあることが分かります。

両者の意味を理解し、状況に応じて使い分けることで言葉のボキャブラリーがより豊かになることでしょう。

ぜひ参考にしてください。