この記事では、「器量」と「甲斐性」の違いを分かりやすく説明していきます。
「器量」とは?
あることをするのにふさわしい能力や物の役に立つ才能、または人徳のことを言います。
また、顔立ちや容貌がよい人(特に女性に対して)使う言葉でもあります。
「器量」の使い方
能力に対して使う場合は“彼は社長としての器量に乏しい”などと使ったりします。
意味も大体能力と変りませんので、使い方としては“能力”に置き換えることができます。
しかし、「器量」には単純な能力以外にも、その立場に合った人格であるとか、その仕事以外にもよく気が配れるだとかいう、その仕事に対してのバランス感覚にも優れているような意味が含まれています。
女性の容姿に対して使う場合は褒める意味で“あの娘は器量が良い”などと言います。
器量が良いというのは褒めている言葉ですが、主に見た目や顔立ちに限定されており、性格の事については含まれていません。
性格を褒めた言葉に“気立てが良い”という言葉があります。
「甲斐性」とは?
頼みがいがある、物事をやり遂げる気力や根性がある性格、という人の性質や特徴の事を言います。
また、昔から稼ぎの少ない人に対しても「甲斐性がない」という言葉が使われていたため、この言葉は男性に向けられることが多かった言葉です。
しかし、現代では女性が結婚せずに働く、もしくは結婚してからも働き続けることが多くなっているために、女性に対しても稼ぎが少ない場合にこの言葉を使ったりもします。
「甲斐性」の使い方
現代ではあまりいい言葉とは言えないですが「浮気は男の甲斐性」という言葉があります。
この言葉は男が浮気することは根性がある、とかそういう肯定的な意味ではありません。
この言葉の正しい意味は自分の家族と浮気相手に対して一生、十分養っていくことができる経済力をもっており、なおかつ両方に愛情をもって頼もしく接することができる人の事を言います。
現代ではなかなか難しい設定ではあると思います。
「器量」と「甲斐性」の違い
「器量」は人に対する見た目や能力のことで、「甲斐性」は性質や特徴です。
「器量」も単純な能力以外にも様々な能力を含んでいる言葉であるために、具体的なもので推し量る事は難しいものです。
ですのでこの言葉を使う場面では、他人の評価によるものが大きいです。
「甲斐性」はさらにその性質が大きく、周りの人にとって頼りがいがあるという評価で“甲斐性がある”“甲斐性がない”が判断されることになります。
まとめ
「器量」に関しては現代でも使う言葉でしたが、「器量がある」という言葉をしっかりと理解せずに使用していました。
人徳までもが意味に含まれている言葉でしたので“器量がある”という言葉のハードルが上がりました。
どちらも、人の内面を表すことができる言葉でしたが、周りの人の評価が反映される言葉でした。
とても面白い言葉だと思いました。