この記事では、「断捨離」と「生前整理」の違いを分かりやすく説明していきます。
「断捨離」とは?
現代の日本で使われている「断捨離」は余計なものをため込まず不要なものを捨てて、整理をして新しいきれいに整った環境で生活する、というものです。
本来のこの言葉は古代インド発祥の宗教的行為である“ヨガ”の思想の一つです。
日本で最初に沖正弘というヨガの指導者が提唱しました。
ヨガの行法に断行・捨行・離行というものがあります。
断行というのは、自分にとって不必要なモノ、情報、悪い習慣などを断つということです。
また捨行は今ある不必要なモノや余計な心配事を捨てるというものです。
最後の離行は物やお金、地位や名声への執着を手放すということです。
そして現代に日本で使われている「断捨離」というものは2009年にやましたひでこさんが著書で紹介したことがきっかけです。
やましたさんの母は物をため込む性格だったそうで、物を捨てれば片付くのにと思っていたようです。
「生前整理」とは?
本人が生きているうちに自分の所有物や財産などを整理して不要なものを捨て、遺族が処分などに困らないようにしておくことです。
「断捨離」のようにまずは不要なものを捨てたり誰かに譲ったりして物を減らしていくことが大きな目的になります。
処分できないものなどもどれをどのように処分するかということを決めて誰かに依頼することも生前整理のひとつと言えます。
また、高齢になり一人で生活できなくなった時に、高齢者住宅や介護施設に入居する、または家族と同居することになる場合があります。
その時に本人の荷物が多すぎて持ち込めない場合や、他人が入るスペースがない場合はやむを得ず荷物の処分をすることがあります。
このように必要に迫られて、死後に向けてではない場面も「生前整理」と呼ぶ場合があります。
「断捨離」と「生前整理」の違い
「断捨離」と「生前整理」の違いを、分かりやすく解説します。
余計なものを捨てて自分の所有物を減らす、という目的では同じですが目的も作業も少し違います。
「断捨離」では今後の生活をよりよくするために不要なものを捨てて整理することが目的です。
「生前整理」は自分がいなくなった後の事を想定して、遺族が困らないようになるべく物を減らしてわかりやすく処理できるようにしておくことでです。
また、「生前整理」では目に見える物だけではなく財産や権利などいろいろな相続の処理が必要なものなど、多岐に渡ります。
まとめ
「断捨離」も「生前整理」も、ものを減らすということで、現代の日本人にはすごく響いた言葉でした。
日本人は“物をより長く使う”ということへの美徳がありますが、使い捨てに近い物があふれる現代では少し考え方を変える必要がありそうです。
そんな中で、このような言葉がとても流行ったと感じました。
この二つの言葉の中にも、不要なものは処分するけれど必要なものを大切にするという意味はあります。