ここでは「苦情」と「要望」の違いについて、詳しく説明していきます。
「苦情」の意味や使い方
「苦情」とは、受けた害に対する不平のことで、「文句」や「不満」といった意味ではなく、正当なものが多いと考えていいでしょう。
ここで言う「正当」とは、言いがかりの類いではない、そのように不平をもって当然だという意味で使っています。
つまり、この「苦情」が出るということは、それ相応の理由があるからです。
とてもその理由にはならない思われる場合には、先の「文句」や「不満」などと使った方が適当で、必ずしも全て正しいという訳ではなくても、正当性の高い(そのように思って当然だと考えられる)ものがこの「苦情」と表現されます。
「要望」の意味や使い方
「要望」は、「希望」と近い言葉です。
何かの対象に対し、「このようにして欲しい」、「もっとこうだったら」のようなものがこの「要望」になります。
「不満」からきていることも多い為、欲張っているだけだという場合も少なくありませんが、正当な理由からであれば、「苦情」と似たニュアンスになります。
ただし、この「要望」とすると、できればそうして欲しいという含みになってしまう為、明らかに正当性がある場合には「苦情」とした方が合っています。
「苦情」と「要望」の違い
「苦情」は、それなりの害があってこそ使える言葉なので、その害を何とかして欲しいという意味にもなると解釈していいでしょう。
よって、できればそうして欲しいという意味になる「要望」とは異なり、「できれば」ではなく、早急な改善要求に相当します。
このように、「要望」は、特に害がない場合にも「希望」として使える言葉ですが、「苦情」は、それがないと使えず、その改善を求めるという意味まで含まれていると覚えておいてください。
「苦情」を使った例文と意味を解釈
「苦情」を使った例文と、その意味の解釈になります。
何の正当性もない場合には、単に「文句」と表現していいでしょう。
「音に対しての苦情が出ているが、それほど気になるものだろうか」
生活音に関する感じ方は人それぞれなので、少しでも気になってしまう人も居れば、多少なら仕方がないと考える人も居るものです。
よって、これによる「苦情」は判断が難しいところで、「文句」に近いものも多いかも知れません。
「要望」を使った例文と意味を解釈
こちらは「要望」を使った例文と、その意味の解釈になります。
「希望」に近いことから、簡単にはその通りにはならないことも多いでしょう。
「要望が多かったものから、議題に挙げていきたいと思う」 要望は同じようなものが多く集まれば、聞いてもらえる可能性が高くなります。
よって、何かそうして欲しいという内容があれば、なるべく多くの人の賛同を集めることが大切になります。
まとめ
「苦情」と「要望」の違いは、以上の通りです。
意味合いの似た使い方になる場合もありますが、説明のように違う意味になる言葉です。