この記事では、「精密加工」と「微細加工」の違いを分かりやすく説明していきます。
「精密加工」とは?
「精密加工」とは細かいところまで注意を払って、正確な寸法で行われる加工です。
機械の中には数多くの部品が緻密に噛み合って動作している物もあり、それらの中には部品の大きさに1ミリメートル以下の誤差があるだけで動作不良を起こしてしまう物もあります。
そうした問題が起きないように、可能な限り注文通りに加工し、注文された寸法と実物の差を極めて小さい範囲に収める加工が「精密加工」です。
具体的な定義としては、寸法との誤差が0. 005ミリメートル以下に抑えられる加工が「精密加工」と言われます。
千分の一ミリメートルはマイクロメートルという単位になるので、マイクロスケールでの製品加工が「精密加工」と言うこともできるでしょう。
「微細加工」とは?
「微細加工」とは金属や樹脂などの素材に、非常に小さな大きさで手を加えることを指します。
部品という物はどれも単純な形をしているわけではなく、それを留めるためには部品同士を噛み合わせる必要があります。
特に極小の部品であれば他の部品を使って留める事もできず、その部品自体に誤差が限りなく0に近付けた噛み合わせ部分を作らなければいけません。
そういった目に見えない大きさで細かな形状の加工をすることが「微細加工」です。
穴や溝は「微細加工」の中でも加工難度も比較的低いので多用されますが、もっと複雑な形が求められることも少なくありません。
また部品の噛み合わせ部分だけでなく、なにかの表面に溝を彫り込むなどの処理をする「微細加工」もあります。
「精密加工」と「微細加工」の違い
「精密加工」と「微細加工」の違いを、分かりやすく解説します。
「精密加工」はマイクロメートル単位で寸法を揃えて素材を加工することで、「微細加工」は極めて小さいスケールで形状を変えることです。
「精密加工」は部品全体の大きさや形を作ることなのに対し、「微細加工」は穴や溝、差込口など部品全体ではなく一部の形状を変える加工になります。
また「精密加工」で出来上がる部品は小さいものもあれば宇宙ロケットの部品に使われるような大きい物もありますが、「微細加工」は大きくても100ミリメートル単位の小さい部品です。
また「精密加工」は加工中も機械を使って形状や大きさを確認しながら加工できますが、「微細加工」は現状形状の確認をしながら加工することができないので、両者を比較すると加工の難易度は「微細加工」の方が高くなっています。
まとめ
どちらも極小単位の加工という点では同じなのですが、誤差が極小の「精密加工」に対し、加工して作る形状が極小の「微細加工」という違いがあります。
どちらも加工難度は高いですが、寸法を揃えるだけの「精密加工」と比べ、寸法はもちろん形状も整える必要がある「微細加工」は更に難しく、専用の機械と熟練の職人がいても、容易なものではありません。