この記事では、「遊牧民」と「ジプシー」の違いを分かりやすく説明していきます。
「遊牧民」とは?
「遊牧民」とは、遊牧をしながら生活をする人々を言い表す言葉です。
中央アジア、モンゴル、サハラなど乾燥、砂漠地帯に住んでいる人たちが「遊牧民族」となります。
ちなみに遊牧とは何かと言いますと、一定の土地に定住せず、牛、羊など家畜と一緒に移動する牧畜のことです。
その時の気分で住む場所を移動しているわけではなく、時期、場所などはある程度決まっています。
「ジプシー」とは?
「ジプシー」とは、ヨーロッパに散在する少数民族ロマのことです。
現在は「ジプシー」という呼び方はせず「ロマ」となっていることを覚えておいてください。
「ジプシー」は、数家族から十数家族で移動生活を送っていました。
かつては馬車でしたが、近年ではトレーラーで移動、生活しています。
ジプシー音楽など独自の文化を持っていますが、ナチスによる絶滅政策、各地で激しい迫害を受けるなど、差別されてきた歴史があります。
また「ジプシー」が各地を転々とするという意味から、各地、各界などを転々とする人を「ジプシー」と言います。
「ここ数年、美容室ジプシーだったがようやくこの店に落ち着けそうだ」などと使います。
「遊牧民」と「ジプシー」の違い
「遊牧民」と「ジプシー」の違いを、分かりやすく解説します。
どちらも移動生活をする民族という共通点はありますが、まったく違う民族で、生活形態も違います。
混同は絶対にできませんので、正しく理解して覚えてください。
「遊牧民」とは、一定の土地に定住せず、家畜と共に水、草を求めて移動しながら牧畜をする人々のことを言います。
つまり職業は牧畜ということになります。
また、定住しないといっても、年間通して同じ場所に住んでいないというだけであって、季節ごとに移動する場所は大体決まっているのです。
つまり、家畜を育てながら、違う国へ行ってしまうといったことはありません。
一方の「ジプシー」ですが、現在では「ロマ」という呼び方になっています。
もともと、インド北西部あたりが原住地だったとされていますが、エジプトから来たという誤解がありました。
その為「ジプシー」と呼ばれていたという経緯があります。
「ジプシー」は昔は馬車、近年ではトレーラーで移動、生活をしています。
音楽や踊りを好む民族で、職業は楽士、かご作り、占いなど様々です。
また差別される存在でもありました。
現在では移動生活はせず、多くは定住しています。
まとめますと「遊牧民とは、遊牧しながら生活を営む人々のこと、主に中央アジア、モンゴル、サハラなど乾燥、砂漠地帯に分布」「ジプシーとは少数民族ロマの他称。
職業は様々で現在は多くが定住生活。
差別の歴史がある」となります。
また各地、業界、物など転々と変える人を「〇〇ジプシー」と呼ぶこともあります。
これは差別的な意味合いはなく、造語といったところでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「遊牧民」と「ジプシー」の違いを解説しました。
移動生活という共通点はありますが、まったく違う民族を表す言葉ですので混同はできません。
言葉の意味を正しく理解して、使い分けてください。