この記事では、「ラチェットレンチ」と「トルクレンチ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ラチェットレンチ」とは?
「ラチェットレンチ」は、締め付ける際反対方向にも回すことが可能で、空回りすることで締め付ける方向を一定にしつつ連続で締め上げることが可能で締め付ける方向を決めることで緩める方向に締め付けることも可能な工具です。
ただし、締め付け時において適正なパワーで締め付けるということはできず、力任せに締め付けると適正な力を発揮できず、無理に物体を締め付けるという問題点もあります。
「トルクレンチ」とは?
「トルクレンチ」は、物体にかけられるパワーを調整できるレンチです。
通常、ボルトなどのねじは、適正なパワーで締め付けることでボルトの滑落を防ぐのですが、人間の手だけの判断で適正な力でボルトが締め付けてあるかを判断するのは不可能であるが故、「トルクレンチ」という工具を使用して「トルクレンチ」側の機械構造の力を借りて適切なパワーで物体を締め付けるのです。
これを行うことで、ねじを潰さずに物体を締め付けることを可能とします。
「ラチェットレンチ」と「トルクレンチ」の違い
両者の違いは、物体に課せられるパワーが異なり、適正なパワーを発揮するか、単に締め付け速度を重視するかです。
「ラチェットレンチ」は空回りをすることで締め付け速度を向上させ、連続で締め付けを可能としますが、締め付け圧力については適正なパワーを維持できません。
逆に、「トルクレンチ」側は適正圧力を維持可能です。
「ラチェットレンチ」の例文
・『ラチェットレンチの回転機構が壊れる』
この例は、「ラチェットレンチ」の売りである回転機構部が損傷したという例です。
この機構は、簡単に言えば、逆回転をすることで反対方向にレンチが回転せず、一定方向のみ、通常のパワーを加えることを可能としています。
よって、この部分が損傷した場合、連続してレンチによる締め上げが不可能となります。
「トルクレンチ」の例文
・『トルクレンチの使用時の適正パワーを調整する』
この例は、物体を締め上げる際の適正パワーを調整するという意味で、「トルクレンチ」にはパワーダイヤルというものがあり、適正な力以上のパワーをかけた場合空回りするという機構があり、締め付けすぎを防ぎます。
まとめ
「ラチェットレンチ」は、簡単に言えば、一定方向への締め付け行為を連続で行えるよう工夫したレンチです。
逆に、「トルクレンチ」は、ボルトなどの締め付け時において適正な力をボルトに加えることに特化したもので、ボルトに負荷がかかりすぎた場合、空回りしてそれ以上締め付けてはいけないと判断するレンチです。
なぜ、このような機構が必要かですが、簡単に言えば、「ラチェットレンチ」は、連続して作業を行いやすくする、「トルクレンチ」はねじ山が力の入れすぎで吹き飛ばないようにするために両者はそれぞれ独立した機構を採用したレンチとなりました。