「原理」と「原則」の違いとは?分かりやすく解釈

「原理」と「原則」の違い言葉・カタカナ語・言語

大元の決まりを意味する言葉として「原理」「原則」があります。

このふたつの言葉にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。

今回は、「原理」「原則」の違いについて解説します。

「原理」とは?

「原理」とは?

「原理」とは、「物事の根幹となる基本的な決まり」を意味する言葉です。

「原理」という言葉が指すのは「人間の力ではどうすることもできないこの世界に元から存在する決まり」です。

支点を支えにして力点に力を加えると加えた以上の力が作用点に発生するという現象を「てこの原理」といいます。

てこの原理は人間が創りだしたものではなくこの世界の基本法則として元から存在する決まりです。

なぜそのような現象が起きるのかは物理学によって説明されますが、そもそもなぜそのような説明が成り立つのかについては「この世界の基本法則」としか言いようがありません。

万物に引力が存在するのも二辺の二乗の合計が斜辺の二乗と等しくなるのも全て元からこの世界に存在した基本的な決まりです。

そのような「人によって定められたものではなくこの世界に元から存在する基本的な法則」のことを「原理」と表現します。

「原理」の使い方

・『テコの原理で大きな岩を動かす』
・『油圧ジャッキにはパスカルの原理が応用されている』
・『アルキメデスの原理で質量を測るために水に沈める』
・『原理を無視すれば失敗するのも当然だ』

「原則」とは?

「原則」とは?

「原則」とは、「多くの者に共通する根本的な法則」を意味する言葉です。

「原則」というのは本来自然界に流れる法則なども含まれますが、一般的には「人によって定められた基本的な決まり」という意味で使われています。

人間社会が円滑に運営されるためには様々な決まりやルールが必要です。

異なる人同士が共存すれば衝突やすれ違いが起きるのは当然ですが、そのようなトラブルを未然に防ぐために社会にはさまざまなルールが設けられています。

憲法や法律といった強制力を伴うものから立入禁止や撮影禁止といった私的なものまで「人によって定められた基本的なルール」を指して「原則」と表現します。

「原則」は数あるルールの中でも基礎的なものでありその上に細かい項目や事例を重ねることで有効な決まりとして作用します。

実際の運用や適用は「原則」に基づいて行われますが全てのルールが厳格なものとは限らず中にはある程度の裁量権が認められるようなルールも存在します。

そのようなルールでは「原則」の範囲内で判断し、時には例外措置として「原則」から外れ特別扱いすることもあります。

「原則」の使い方

・『管内では原則として撮影が禁止されている』
・『図書館の本は原則として持ち出し禁止になっている』
・『原則として遅刻したものは試験を受けられないが、電車の遅延など事情がある場合は別室で受験が認められる』
・『罪を犯したものは裁かれるのが社会の原則だ』

「原理」と「原則」の違い

「原理」と「原則」の違い

「原理」「原則」はどちらもルールや法則を意味する言葉ですが「人の手が及ぶかどうか」に違いがあります。

「原理」と言うのは自然界に存在するルールや法則であり人の手が及ぶものではありません。

ルールを解明することはできても改正したり変更したりはできずそのルールを理解し利用することのみ可能です。

「原則」というのは人の手によって作られたルールや法則で、法律や憲法など手続きをとることで変更できるような人同士の決まりを指します。

まとめ

まとめ

「原理」「原則」はひとまとめにされることも多く同じものだと思われがちですが本来の意味は真ったく異なります。

それぞれが何を指しているのか正しい意味を理解しておきましょう。