「蔓延」と「はびこる」は類似した意味を持っている紛らわしい言葉ですが、「蔓延」と「はびこる」の意味の違いを正しく理解できているでしょうか?
この記事では、「蔓延」と「はびこる」の例文も紹介しながら、それぞれの意味の違いを分かりやすく説明していきます。
「蔓延」の意味や使い方
「蔓延」という表現は、「疫病(伝染病)・悪習・犯罪などが広範囲に広がるさま」を意味しています。
「蔓延」の原義は、「つる草が伸びていって周囲に広がるさま」になります。
「蔓延」の使い方は「危険な感染症が蔓延しています」のように、「好ましくない疫病や悪事などが広がる時」に使うという使い方になります。
「はびこる」の意味や使い方
「はびこる」という表現は、「好ましくない物事・集団の勢いが盛んになって広まること」や「悪いものが広がり勢力を張ること」を意味しています。
「はびこる」の原義も、「植物の草木が伸びて生い茂ること」にあります。
「はびこる」の使い方は「この地域では犯罪がはびこっています」のように、「悪い物事や集団の勢いが盛んで広まる場合」に使うという使い方になります。
「蔓延」と「はびこる」の違い
「蔓延」と「はびこる」の意味の違いを、分かりやすく説明します。
「蔓延」というのは、「つる草が伸びて周囲に広がるさま」を原義として、「疫病・悪い習慣・犯罪などが広範囲に広がっているさま」を意味しています。
それに対して、「はびこる」は漢字で表記すると「蔓延る」になるように、基本的には「蔓延」と「はびこる」は同じ意味を持っている同義語として解釈できます。
「はびこる」も「草木が伸びて茂ること」が原義で、「悪い物事・集団の勢いが盛んになって広まること、勢力を張ること」を意味しています。
ただし「蔓延」は文語(書き言葉)で使われやすく、「はびこる」は口語(話し言葉)で使われやすい違いはあります。
また「つる草・植物が伸びて広がること」を示す時には、「雑草が蔓延する」よりも「雑草がはびこる」という言い方のほうが、使われる頻度が多く自然な響きがあります。
「蔓延」を使った例文と意味を解釈
「蔓延」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「豚コレラが蔓延していて、豚から人への感染リスクが懸念されています」
この「蔓延」を使った例文は、「蔓延」という表現を、「豚コレラの感染症の勢いが盛んになり広まっていて」という意味を持つ文章で使っています。
「はびこる」を使った例文と意味を解釈
「はびこる」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「人に迷惑をかける悪人がはびこっていて、注意や処罰をされることがない世の中がおかしいのです」
この「はびこる」を使った例文は、「はびこる」という表現を、「人に迷惑をかける悪人が広まって勢力を張り」の意味合いで使用しています。
まとめ
「蔓延」と「はびこる」の意味の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「蔓延」という表現は、「感染症・悪い習慣などが広い範囲に行きわたること」を意味しています。
それに対して、「はびこる」という表現は「悪い物事や悪い集団が広まって勢力を張ること」の意味を持っています。
「蔓延」と「はびこる」の意味の違いを知りたい時には、この記事の内容を確認してみてください。