この記事では、「呪術」と「呪詛」の違いを分かりやすく説明していきます。
「呪術」とは?
呪術は、じゅじゅつという読み方をすべき言葉です。
文字で書かれたこの言葉を目にすれば一目瞭然な事でしょうが、自分の災いを取り除くのを目的に神仏に願うといった意味の呪の文字に、方法や手段、技といった意味のある術の文字を加える事で誕生した言葉となっています。
以上の事から呪術は、神や精霊といった超自然的な存在に働き掛ける事で、様々な願望を叶えようとする行為を表すのです。
「呪術」の使い方
呪術は、神等の超自然的な存在に訴え掛ける事により、病気を治癒させたり雨を降らせるといった願いを叶えようとする行為を表現します。
善意の意図によるものだけでなく、他者の不幸を願う様な悪意による意図というケースもあるのです。
平たくいえば、まじないや魔術といったものもこの呪術に含める事が出来ます。
「呪詛」とは?
呪詛とは、じゅそという読み方をする言葉です。
漢字で記されたこの言葉を見れば明らかな事ですが、他人に災いが生じる様に神に願うとかのろいといった意味を持っている呪の漢字に、のろいとかのろうといった意味を有する詛の漢字を付け足す事で成立した言葉となっています。
だからこそ呪詛は、神仏や悪霊等に祈願する事で他者に災いが及ぶ様にする事を示すのです。
「呪詛」の使い方
呪詛は、神や悪霊といった超自然的な存在に祈る事で、相手を不幸にしようとする行為に対して、用いられる言葉となっています。
基本的に恨みを持つ相手に対して、その恨みを晴らそうと神や悪霊といった目に見えない存在に祈る事で、災いが起きる様にお願いする行為を示すのです。
そのため呪詛自体は、ネガティブな意味合いを含んだ言葉として使用されています。
「呪術」と「呪詛」の違い
呪術と呪詛の文字表記を見比べれば、即座に2文字目に術と詛という漢字の違いがある点に気付く事が可能です。
所が最初の文字は同じ呪の漢字が使われており、どちらも超自然的な存在にお願いする、といった同じ様な意味を持っている点がややこしい部分だったりします。
とはいえ2文字目の違いで、表す意味合いにも違いを発見する事が可能です。
まず呪術は、神等の超自然的な存在に働き掛けを行う事で自らの望みを叶えようとする行為を表します。
善意から意図する場合と、悪意から意図する場合のどちらもケースもあるのです。
一方の呪詛は、神仏や悪霊等に、相手に災いが起こる様に祈願する事を示す言葉となっています。
こちらは恨みという悪意からのみ、お願いする行為を示すのです。
まとめ
2つの言葉は、最初に同じ呪の文字が使用されており、しかも共に、神等の超自然的な存在にお願いする、という似た意味を有しています。
ただし2文字目に術と詛という明確な文字の違いがある事で、表現する意味のニュアンスにも相違点を見付ける事が可能です。
ちなみに呪術は、神や精霊といった神秘的な存在に働き掛ける事で、願いを叶えようとする行為を表します。
善意と悪意の両方の意図による願いを、どちらも含むのです。
対する呪詛は、恨みを晴らすために神や悪霊に相手に災いが及ぶ様に、願う事を示す言葉となっています。
なので呪詛は恨みという悪意からの願いのみに、用いられる言葉です。