この記事では、「極めて」と「極端に」の違いを分かりやすく説明していきます。
「極めて」とは?
「極めて」には2つの意味があります。
ひとつは、程度が普通よりもはるかに超えているさまです。
非常にといった意味になります。
病状のことで説明をします。
ある人は重い病気にかかって、現在入院をしています。
医師や看護師が必死に治療や看護をしてくれているのですが、なかなかよくなりません。
それどころか、次第に体力は落ち、命の危険があるような状態になってしまいました。
健康な状態に比べて、はるかに悪いさまといえるでしょう。
これは「極めて病状は悪い」といいます。
今度は組織のリーダーのことで説明をします。
ある組織では、代々リーダーは外国人が勤めていました。
日本人がリーダーについたことは数えるほどしかありません。
外国人のリーダーの数に比べてずっと少ない人数です。
あるとき、この組織のリーダーに日本人が選ばれました。
日本人が選ばれるというのは、程度としては非常にまれです。
これは「極めてまれ」ともいいます。
もう一つの意味は、きっとです。
確かになど、話し手の強い決意や確信を表します。
「極めて」の使い方
程度が普通よりもはるかに超えている場合に使います。
悪い事柄に使うことが多いです。
「極端に」とは?
普通の程度をはるかに超えていること、一方に非常に偏っていること、またそのさまです。
気温で説明をします。
冬の平均最高気温は10℃だったとします。
ある年は最高気温の平均が5℃でした。
平年に比べて5℃も低いです。
5℃違うだけで体感温度は大きく変わります。
これは「極端に寒い」「極端に気温が低い」などといいます。
今度は野菜の価格で説明をします。
野菜の価格は収穫量・出荷量によって決まります。
出荷量が少ないと価格が上昇をし、出荷量が多ければ価格が低下をします。
ある時期にニンジンの出荷量が非常に多くなり、価格が下がったとします。
普段は100円だったものが60円になったのです。
これは「極端に価格が低下する」などといいます。
普通に比べて程度がはなはだしいほどに価格が低くなっています。
「極端に」の使い方
程度がはなはだしいことやそのさまに使用をします。
よい事柄にはあまり使用しません。
「極めて」と「極端に」の違い
意味はほぼ同じなのですが、後者には一方に偏っているという意味もあります。
使い方が異なり、「病状は極めて悪い」とはいいますが、「病状は極端に悪い」とはあまりいいません。
「極めて」の例文
・『極めて難しい状態だ』
・『極めて凶悪な事件』
・『極めて悪質』
・『極めて少ない』
「極端に」の例文
・『極端に短い』
・『極端に長い』
・『極端に暑さに弱い』
・『極端に野菜の少ない食事』
まとめ
普通の程度よりもはるかに超えているという意味を持っており、2つの言葉の意味はほぼ同じですが、一方には偏っているという意味もあります。
また、使い方にも違いがあります。