この記事では、「間合い」と「間隔」の違いを分かりやすく説明していきます。
迷いやすい言葉を、正しく見定めていきましょう。
「間合い」とは?
間合い(まあい)とは、人と人の間のこと。
自分と相手の距離をあらわします。
スペースや心理的な隔たりをあらわすのが「間合い」です。
もともと「間合い」というのは、剣道の言葉です。
剣道のような武術では、自分と対戦相手との「空間」がとても大切になってきます。
間合いが近すぎてもスキをつかれて一本取られてしまうし、間合いが遠すぎてもライバルを蹴落とすことができません。
「相手とのちょうど良い距離」が間合いです。
そのためタイミングを読むことを「間合いを取る」や「間合いを見計らう」といいます。
物事をうまく進めるために、心得ておきたい術が「間合い」です。
「間隔」とは?
間隔(かんかく)とは、人と人の隔たりのこと。
そして「時間と時間の差」もあらわします。
人との距離、そして時間差をあらわす、複雑な意味をもつ言葉です。
そもそも間隔は「間」と「隔たり」と書きます。
隔たりとは「2つの差」のこと。
つまり2点の距離をあらわします。
そのため「3メートル間隔で旗を掲げた」というと、3メートルの空間をあけて、旗をたてかけた様子をあらわします。
また「3か月間隔でワクチンを打った」というと前回打った時期より、3か月の月日をあけて注射を打ったという表現になります。
このように前と後ろの間をあらわすもの、空間と時間の両方をつたえるのが「間隔」です。
「間合い」と「間隔」の違い
どちらも「間」という字がはいっているので、紛らわしいです。
「間合い」と「間隔」の違いを、分かりやすく解説します。
・心理の「間合い」距離の「間隔」
「間合い」と「間隔」は同じように思える表現です。
ただ内容は少しずつ異なっています。
間合いは、自分と相手との空間です。
もともと武術から生まれた言葉なので、ただの空間だけではなく「タイミングを計る」や「空気を読む」という、奥深い訳もあります。
その場の状況を読み取って、俊敏な対応をおこなうのが「間合い」です。
そして「間隔」は空間と時間、それぞれの隔たりをあらわします。
2つの物や日時の開きをあらわします。
「間合い」のように、頃合いを探ったり、ベストな機会をうかがったりするという訳はありません。
そのため単純に距離や時間差をあらわすときは「間隔」をつかいます。
そしてスポーツの試合や会社の人付き合いで、適切な間隔をとりたいときは「間合い」を選びます。
上手な使い分けをおこなっていきましょう。
まとめ
「間合い」と「間隔」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも「間」という漢字が含まれています。
「間合い」は武術から生まれた言葉で、相手と自分との距離をあらわします。
心理的な距離感もふくむ、神妙な言葉です。
そして間隔は、空間や時間の開きを指します。
前と後ろの距離をあらわす、シンプルな表現です。