「寄託在庫」と「預託在庫」の違いとは?分かりやすく解釈

「寄託在庫」と「預託在庫」の違い二語の違い

在庫の種類をあらわす言葉として「寄託在庫」「預託在庫」があります。

このふたつにはどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、「寄託在庫」「預託在庫」の違いについて解説します。

「寄託在庫」とは?

「寄託在庫」とは、「倉庫等別の場所に預けてある在庫」を意味する言葉です。

「寄託在庫」の別名は「委託在庫」です。

販売前の商品を「在庫」といいますが在庫はどこにどのような状態で保管しているのかによって呼び方が変わります。

「寄託在庫」とは「販売前の商品のうち直接手元で保管しておらず倉庫業者など別の業者にお願いして預けているもの」を指します。

商品を販売する会社にとって安定して商品を供給するためにはある程度の数をあらかじめ抱えておく必要がありますがそのような販売前に抱えておく商品を指す言葉が「在庫」です。

注文に応じてその都度生産できれば在庫ゼロが実現できますが生産力などを考えるとそのような臨機応変な受注生産は実質的に不可能でありどんなに生産調整をしたとしてもある程度の在庫がないと商品供給に支障をきたしてしまいます。

在庫を抱えておくといっても商品の種類や性質によって保管方法は異なります。

大きなものならスペースが必要ですし品物によっては温度管理なども必要です。

最適な環境で在庫を抱えておくには専門設備を備えた倉庫業者など保管を専門とする業者に預けるのが最適です。

そのように「自社で直接抱えて保管するのではなく倉庫業者など別の場所に預けて保管してある在庫」「寄託在庫」と呼びます。

「寄託在庫」の使い方

・『寄託在庫の数量を確認する』
・『経費節減のため寄託在庫を見直すことになった』
・『十分な寄託在庫があるので注文が増えても対応可能だ』
・『寄託在庫にかかる経費が負担になっている』

「預託在庫」とは?

「預託在庫」とは「顧客が保管している在庫のうち自社に所有権がある在庫」を意味する言葉です。

定期的に取引している業者間では注文に応じて商品を出荷するのではなくある程度の在庫をあらかじめ出荷しておいて使用した分だけ販売処理して代金を受け取ることがあります。

機械製造に使う機械部品などは注文数ぴったりで出荷するよりもあらかじめ多めに出荷しておき生産に用いた数だけ販売処理したほうが臨機応変な生産に対応できるなどのメリットがあることからこのような方法が用いられます。

このように「販売前の在庫を顧客のもとで保管し使用した分だけ販売処理をする在庫」「預託在庫」といいます。

イメージとしては先に薬を在庫として渡しておいて使った分だけお金を払う富山の置き薬を思い浮かべると理解がはかどります。

「預託在庫」の使い方

・『長年取引している相手にのみ預託在庫をまかせている』
・『預託在庫のおかげで急な生産数の変更にも対応できる』
・『使った数を数えて預託在庫を精算する』
・『預託在庫について見直しを行う』

「寄託在庫」と「預託在庫」の違い

「寄託在庫」「預託在庫」の違いは「保管先」です。

どちらも所有権が自社にある在庫を指しますが自社で選んだ倉庫業者などを保管先にしているのが「寄託在庫」、顧客のところを保管先にしているのが「預託在庫」という違いで区別されます。

まとめ

「寄託在庫」「預託在庫」は日常生活ではまず意識することのない言葉ですが会社の在庫管理では頻繁に使います。

同じ在庫でも保管先や保管方法によって扱いが変わるので注意してください。