この記事では、「汚い」と「汚らしい」の違いを分かりやすく説明していきます。
色々な語を、使い分けていきましょう。
「汚い」とは?
汚い(きたない)とは、グチャグチャに汚れていること。
はっきりそうだと断言できるくらい、散らかっている状況をいいます。
足の踏み場がないくらい、物であふれていること。
まったく掃除していない、ひどい空間が「汚い」です。
もともと「汚」という漢字は「けがれ」をあらわす言葉。
見ていて嫌な気持ちがする環境、さわりたくない不快な物を、つたえる表現です。
そのため日常生活では泥まみれのシャツを「汚い洋服」、手入れをしていない住まいを「汚い家」といいます。
また「やり方が汚い」というと、ずるいやり方をあらわします。
空間や心のきたなさを表すのが「汚い」です。
「汚らしい」とは?
汚らしい(きたならしい)とは、ずいぶん汚く見えること。
いかにも不潔で、いい気分がしない場合に用いる表現です。
おぞましくて、思わず引いてしまう光景に対して使います。
「汚らしい」の「~らしい」は推定や婉曲をあらわす言葉です。
ちなみに婉曲とは、ストレートな物言いを避けた言葉。
はっきり言い切ってしまうと、こちらの人格が疑われてしまいそうな際に用います。
そのため「汚らしい」で、はしたなく見えること。
不衛生で見苦しく思える様子です。
無精ひげが伸びていたり、下品な食べ方をしていたり、髪の毛がボサボサだったり、おもに「ある人の下品な言動」に対してつかいます。
「汚い」と「汚らしい」の違い
どちらも「汚」という漢字が付いています。
「汚い」と「汚らしい」の違いを、分かりやすく解説します。
・言い切る「汚い」遠回しの「汚らしい」
どちらも、みっともないと思った場合に使う表現です。
「汚い」は、誰が見てもよごれている状況につかいます。
「池が汚い」や「メガネのレンズが汚い」そして「部屋が汚い」といいます。
それぞれ水質が悪いこと、お手入れし忘れて乱雑な状況をあらわします。
はっきり言い切りたい場合に用いるのは「汚い」です。
そして「汚らしい」はおもに、人の動作に対して使います。
はっきり言い切ってしまうと相手を傷つけてしまいそうなとき、こちらに被害が及びそうなときに「汚らしい」といいます。
「汚い」は強くて、重みのある言葉です。
対して「汚らしい」は「汚い」よりは、オブラートに包んだ語句。
ぼかしてある、やわらかい言い回しです。
どちらの語句にも「見ているこちらが嫌な気持ちになる」という共通点がありますが、その思いをはっきり明言しているのは「汚い」、より遠回しなのは「汚らしい」です。
まとめ
「汚い」と「汚らしい」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも、見苦しい状況をあらわす言葉です。
「汚い」はそうした環境を、ストレートに例えた表現です。
そして「汚らしい」は、言葉を選んだ婉曲的な言い方です。
小さなニュアンスの差を、しっかりつかんでおきましょう。