この記事では、「何でもない」と「何もない」の違いを分かりやすく説明していきます。
「何でもない」とは?
特別なこととして取り上げるほどのものでもないという意味です。
何でもには、どういうことでもという意味があります。
ないは否定の語です。
ある人がお腹を押さえていたとします。
背中をやや丸めており、顔は苦しそうです。
どうやらお腹が痛いようです。
心配した別の人がどうしたのかと声をかけたところ、お腹を押さえている人は「何でもない」といいます。
本人にとってはそれほどつらくないのかもしれないし、放っておいて欲しいのかもしれません。
この場合は、お腹が痛いことを特別なこととして取り上げるものではないとしています。
今日は誕生日でも、お正月でも、クリスマスでも、入学式でも、卒業式でも、祝日でもありません。
特別に取り上げられるようなこともない日は、「何でもない日」といいます。
「何でもない」の使い方
特別なこととして取り上げるほどのものでもないという意味で使用をします。
事柄、物、発言など、さまざまなものに使われます。
「何もない」とは?
人、事柄、物などが存在しないという意味です。
何は、はっきりしない事柄を示すときに使う語です。
「も」は不定称の指示語に付いて、すべてを否定したり、すべてを肯定したりします。
ないは否定の語です。
冷蔵庫の中を開けてみました。
中は空っぽです。
飲み物も、野菜も、肉も、魚も一つとしてありません。
このような状態を指す言葉です。
今度は大学に入ることで説明をします。
大学に入ってこれを勉強しようと決めている人もいれば、特に決めていない人もいることでしょう。
歴史は興味がないし、英語は苦手でやりたくないし、経済や心理学は難しそうだし、これといって勉強したいというものがなかったとします。
そのことを「勉強したいものが何もない」といいます。
「何もない」の使い方
人、事柄、物などがまったく存在しないという意味で使用をします。
さまざまな事柄に使用されています。
また、この言葉は全否定するときに使います。
一部だけを否定しては使いません。
「何でもない」と「何もない」の違い
「で」がつくか、つかないかで意味が違ってきます。
「何でもない」と「で」が入っている場合は、特別なこととして取り上げるほどのことではないという意味になります。
「何もない」と「で」が入っていない場合は、存在するものがないという意味です。
「何でもない」の例文
・『彼にとっては何でもない出来事』
・『何でもない月曜日』
・『何でもないことを描いたマンガ』
・『失敗するくらい何でもない』
「何もない」の例文
・『家の中には何もない』
・『グラウンドには何もない』
・『失うものは何もない』
・『隠していることは何もない』
まとめ
「で」がついているか、ついていないかで意味が変わり、一方は特別なことではない、もう一方は何も存在しないという意味を持っています。