この記事では、「乾坤一擲」と「背水の陣」の違いを分かりやすく説明していきます。
似た雰囲気を持つ、この2つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょうか。
「乾坤一擲」とは?
「乾坤一擲」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「乾坤一擲」は、「けんこんいってき」と読みます。
「乾坤一擲」は「運命をかけて大勝負すること」という意味があります。
「乾坤」は「天地」を意味し、「一擲」は「サイコロを投げること」を意味します。
天地にかけてサイコロを投げるという意味があり、自分の運命をかけた大勝負をすることを意味します。
例えば、会社の運命をかけて、資金力、人の力などを結集し、新商品を開発・販売することがあるかもしれません。
失敗したら、会社が倒産するような大勝負だった場合は、「この新商品で、乾坤一擲の勝負に出る」などという文章を作ることができます。
また、海外旅行先でカジノに行き、遊んでいるうちに熱くなって、深入りしてしまう場合があるかもしれません。
もし、次の勝負に負けたら日本に帰るお金すらないというような大勝負をする場合は、「カジノで乾坤一擲の賭けに出た」などという文章にすることができます。
「背水の陣」とは?
「背水の陣」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「背水の陣」は「はいすいのじん」と読みます。
「背水の陣」は、「一歩も引けないような絶体絶命の状況の中で、全力を尽くすことのたとえ」という意味があります。
古代中国の漢の武将韓信が、趙軍と戦うとき、わざと川を背にして陣を取ったことを由来としています。
あえて川を背にすることで、退却することができないことを味方に伝えることで、決死に覚悟をさせるという故事によるものです。
例えば、転職活動をするとき、通常は会社を辞めず、給料を得ながら転職活動をするものです。
しかし、甘えを捨てるため、先に会社を辞めてから転職活動をする場合は、「背水の陣で転職活動をするため、会社を辞めた」などという文章を作ることができます。
「乾坤一擲」と「背水の陣」の違い
「乾坤一擲」と「背水の陣」の違いを、分かりやすく解説します。
「乾坤一擲」は「運命をかけて大勝負すること」という意味があります。
一方で「背水の陣」は、「一歩も引けないような絶体絶命の状況の中で、全力を尽くすことのたとえ」という意味があります。
どちらも、極限の状態で全力を尽くすことを意味する言葉になります。
ただし、「背水の陣」には、「絶体絶命の状態」をあえて作ってから、大勝負をするという意味があり、「乾坤一擲」は大勝負をするものの、あえて追い込まれるような意味が含まれていないという違いがあります。
まとめ
「乾坤一擲」と「背水の陣」の違いについて見てきました。
2つの言葉には明確な意味の違いがありました。
2つの言葉の意味の違いを知ることで、混同せずに使い分けることができるようになりそうです。