この記事では、「強酸」と「弱酸」の違いを分かりやすく説明していきます。
似ている用語をはっきり使い分けていきましょう。
「強酸」とは?
強酸とは、強い酸性の水溶液のこと。
そうした性質をもったグループを、強酸といっています。
主なものには、塩化水素や硫酸、ヨウ化水素などが挙げられます。
強酸の特徴は、強電解質であることです。
水溶液には電離しやすいもの、電離しにくいものがあります。
電離しやすいものは、溶解するとプラスとマイナスのイオンに分かれていきます。
強酸はこの性質がとくに強く、電気をよく流して電離していきます。
また電解のしやすさを見極めるラベルに「電離度」があります。
電離度は1に近づくほど強くなり、反対に1から遠ざかると弱くなります。
強酸は電気を流しやすいので、電離度の値は1に限りなく近くなります。
「弱酸」とは?
弱酸は酸性の度合いが弱い水溶液のこと。
こうした性質をもったグループを、まとめて弱酸といいます。
弱酸の主なものには、酢酸やリン酸、そして硫化水素などがあります。
家庭でつかう掃除道具、クエン酸も弱酸の仲間です。
弱酸の特徴は、弱電解質であることです。
電気を流しにくいので、溶解してもプラスとマイナスのイオンに分かれにくくなっています。
そのため電離度も低く、限りなく0に近づいた値が出されます。
これは電離しにくいことをあらわす、ひとつの証明になります。
電離しても一部のイオンしか分解されないので、電気を流してもほぼ変化しない水溶液になっています。
「強酸」と「弱酸」の違い
どちらもテストに出やすい単元です。
「強酸」と「弱酸」の違いを、分かりやすく解説します。
・電離度が高いのは「強酸」電離度が低いのは「弱酸」
「強酸」と「弱酸」の違いは酸性が強い性質か、それとも弱い性質かということです。
もともと酸性には「電気と仲が良い」という特徴があります。
そのため水溶液に電気を流してみたとき、よく電子を受け取って分解してくれるのは「酸性が強い水溶液」です。
反対に電気を流してみたとき、あまり電子を受け取ってくれず、無反応で終わりやすいのが「酸性が弱い水溶液」といえます。
おさらいすると酸性が強いのは、強酸。
酸性が弱いのは弱酸です。
そのため酸の性質がつよく出る強酸は、電気を流しやすく、電離度も高くなります。
そして酸の性質が弱い弱酸は、電気を流しにくいため、電離度も低くなります。
電離度が高いのは、強酸。
電離度が弱いのは、弱酸です。
電気を流しやすいか、流しにくいかが2つの水溶液の見極めに役立ってくれます。
まとめ
「強酸」と「弱酸」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらもテストで迷いやすい語句です。
強酸とは塩酸や硫酸のこと。
電気を流しやすく、電離度も高い水溶液です。
反対に弱酸とは、電気を流しにくい水溶液のこと。
リン酸や二酸化炭素があります。
それぞれの性質をおさえておきましょう。