人間が心の中に秘める思いや願いは様々な種類ありますが、中でも「本音」と「本意」は意味を間違えやすい熟語として知られています。
この記事では、「本音」と「本意」の違いを分かりやすく説明していきます。
「本音」とは?
「本音」とは元々楽器が持っている本当の音色を示す言葉でしたが、現代ではこれ以外の心に秘めた思いや感情が口に出てしまうことを表す意味として使われます。
「本音」は自分の秘めている思いや願いであり、本心から発生したものを発言するので、これを明かすことは信頼の証になることが多いのが特徴です。
「本音」は自分から打ち明ける場合もありますが、突然漏れ出すこともありこの場合には意図せずに自分の思いを知られてしまう可能性があります。
「本音」を吐くという言葉はそれまで溜まっていた感情や隠していた思いなどを一気に発言する行為です。
「本音」が漏れるという言葉はそれまで隠していた思いや感情がついうっかり漏れ出てしまう行動であり、お酒の席での愚痴など様々なものが存在します。
「本意」とは?
「本意」とは自分が持っている願いや意志を表す言葉です。
「本意」は自分から発現することが可能であり、また他人の心中を知りたい時には「本意」を問いただすことが可能です。
自分が持っている本当の意志という意味以外にも、昔からずっと持ち続けていた意志や願いという意味もあり、強固な気持ちや鋼の意志のような本懐を示す意味もあります。
「本意」を得るという言葉は自分の願いや希望が叶うという意味であり、長年にわたってようやく成功する場合に使います。
「本意」の反対語としては「不本意」 があり、こちらは自分の本当ではない気持ちや望んでいない状態を示す言葉です。
「本音」と「本意」の違い
「本音」や「本意」はどちらも自分の心中にあるものなので、本心という意味が共通しています。
「本音」は本心が音になって外に出てしまう行為と一緒に使う言葉であり、信頼している相手に打ち明ける時や、苦し紛れに出てしまう時もあります。
「本意」は自分がずっと持っていた願いや本当の意志という意味であり、「本意」は必ずしも他人に言う必要はありません。
「本音」の例文
・『仕事が辛くて実家の母親に本音が出てしまった』
・『本音と建前の文化は日本でも多くの場面で使用されています』
「本意」の例文
・『自分の本意に沿った人事異動であり、来年からはもっと頑張れそうだ』
・『不本意ながらも副部長に就任しました』
まとめ
「本音」や「本意」はどちらも本心という意味がありますが、「本音」の方は若干隠しておきたい思いや願いという意味が込められています。
「本意」は自分の意志が強固なものでありこれを問われても自信満々で返答することが可能です。
刑事ドラマのシーンで犯人に対して「本音」や「本意」を問いただすシーンがありますが、この2つの熟語は意味が異なるため状況や展開も異なるものになります。