「考案」と「提案」は双方とも「案」が使われた言葉ですが、細かな意味合いが異なるため区別して用いる必要があります。
この記事では、「考案」と「提案」の違いを分かりやすく説明していきます。
「考案」とは?
「考案」は「こうあん」と読む熟語で、「様々に工夫して考え出すこと」を意味します。
漢字の「考」は「思いを巡らせる」「考える」「調べる」といった意を示し、「案」は「計画」「考え」「下書き」などを表します。
「提案」とは?
「ていあん」と読む「提案」は、「手にさげて持つ」「さし出す」「掲げる」などの意味を持つ「提」と、「計画」「考え」「下書き」といった意味がある「案」で構成される熟語です。
「意見や議案などを公の場にさし出すこと」またはそのような意見や議案を意味します。
「考案」と「提案」の違い
「考案」も「提案」も「考え」に関する意味を含む点は共通していますが、次のような違いがあります。
「考案」は「工夫して考え出すこと」を意味し、何らかの意見や計画などを「考えること」に重点が置かれている印象が感じられます。
一方、「提案」は「意見や議案などをある場所にさし出すこと」を示し、考えや議案を「提出すること」という意味合いが強い印象があります。
「考案」の例文
「考案」は「〜を考案する」「考案した〜」のように使います。
改まった印象のある言葉なので、日常生活で用いられる機会は少ないといえるでしょう。
・『環境に配慮した新しい機能を考案する』
・『彼が考案したアイデアは現在も若者に影響を与え続けている』
「提案」の例文
「提案」は「〜を提案する」や「〜の提案」などのように使用します。
ビジネスなどフォーマルな場面で用いられることが多い言葉ですが、普段の生活で使用される場合もあります。
・『資料の大幅な修正を提案する』
・『残念ながら私の提案は友人たちに不評だった』
まとめ
「考案」は「様々に工夫して考え出すこと」を示し、「提案」は「意見や議案などを公の場に提出すること」を示します。
両者の意味の違いや使用例を理解して、TPOに応じて使い分けましょう。
ぜひ類似する熟語の違いを学ぶ参考にしてください。