「参上」と「参内」はいずれも「参」という漢字が使われた熟語ですが、意味が異なるため区別して認識する必要があります。
この記事では、「参上」と「参内」の違いを分かりやすく説明していきます。
「参上」とは?
「参上」は「さんじょう」と読む言葉で、「目上の人のもとに足を運ぶこと」を意味します。
また、「他者のもとに行くことをへりくだって表現する言葉」でもあります。
漢字の「参」には「うかがう」「目上の人のところに行く」「寺社などに詣でる」「あつまる」といった意味があり、「上」には「上の方」「高い方」「年齢や身分などが高い」「たてまつる」などの意味が含まれています。
「参内」とは?
「さんだい」と読む「参内」は、「宮中に行くこと」「皇居の中に行くこと」を意味する言葉です。
「参」は「うかがう」「目上の人のところに行く」「寺社などに詣でる」などを表し、「内」は「なか」や「うち」という意味もありますが、この場合は「朝廷」や「宮中」を示します。
また、「参内」は公卿などが参内の際に従者に持たせていた「参内傘」の略称という意味も持っています。
「参上」と「参内」の違い
「参上」も「参内」も「誰かのもとへ行くこと」という意味を含む点は共通していますが、次のような違いがあります。
「参上」は「自分よりも目上の人のもとに足を運ぶこと」を意味するほか、「誰かのもとに行くことをへりくだって言う謙譲語」としても使用されています。
一方、「参内」は「宮中に行くこと」を意味し、特に「皇居の中に行くこと」を表す言葉です。
「参上」の例文
「参上する」は「参上いたします」や「参上しました」のように使われます。
日常会話よりも改まった場面で多く用いられる言葉です。
・『当日は書類を持参のうえ参上いたします』
・『今回は新製品の件をご相談したく参上いたしました』
「参内」の例文
「参内」は「参内する」「参内中」のように用いられます。
宮中に行くことを表す言葉なので、普段の生活で使用する機会は極めて少ないといえるでしょう。
・『新しい大臣が参内する』
・『大使は参内中です』
まとめ
「参上」は「目上の人の所に行くこと」「他者のもとに行くことをへりくだって表す言葉」を示し、「参内」は「宮中(皇居の中)に行くこと」を示します。
「内」が「宮中」を表す漢字であることも覚えておきましょう。
ぜひ熟語の違いを学ぶ参考にしてください。