「水銀」と「銀」はどちらも「銀」という漢字が使われた言葉ですが、意味が異なるため区別して理解しておく必要があります。
この記事では、「水銀」と「銀」の違いを分かりやすく説明していきます。
「水銀」とは?
水銀は「すいぎん」と読みます。
金属の一種であり、「常温において液状である唯一の金属」を意味します。
古代から知られていた金属の一つで、日本においても奈良時代につくられた東大寺の大仏が水銀で金めっきされた記録が残っているそうです。
「銀」とは?
「ぎん」と読む銀は、金属のひとつで、「金よりやや軽量で堅い金属」を意味し「しろがね」と呼ばれることもあります。
古くから利用されてきた金属でもあり、紀元前3000年頃のエジプトやメソポタミアといった遺跡からも発見されています。
「水銀」と「銀」の違い
「水銀」も「銀」も「金属の一種」で、両者共に人類と古い関わりがあるという点は共通していますが、次のような違いがあります。
「水銀」は「亜鉛族元素」に属し、元素記号「Hg」で表されます。
「常温において液体である唯一の金属」で、銀白色で光沢があり、重いのが特徴です。
英語では“mercury”と表記されます。
蛍光灯、水銀灯、気圧計、温度計、電池、化学薬品などに使用されますが、有毒のため人体への使用は禁じられています。
一方、「銀」は「銅族元素」に属し、元素記号は「Ag」となります。
青白色で光沢があり、金と並ぶ貴金属としても有名で、装飾品や貨幣などに用いられています。
英語では“silver”と記されます。
また、金属の中では電気や熱の伝導性が最も高いことから金属材料として用いられることも多く、現在では世界総生産額の7割以上が工業用として使われているようです。
まとめ
「水銀」は「元素記号Hgで表される、常温で液状の金属」を示し、「銀」は「元素記号Agで表される、電気や熱の伝導性が最も高い金属」を示します。
両者の用途や英語表記についてもチェックしておきましょう。
ぜひ化学についての言葉を知る参考にしてください。