この記事では、「欲望」と「渇望」の違いを分かりやすく説明していきます。
「欲望」とは?
「欲望」は、「よくぼう」と読むのが正しい読み方となっているのです。
漢字で記載されたこの言葉を目にすれば一目瞭然な事でしょうが、「ほっする」や「物をほしがる気持ち」等の意味を有する「欲」の漢字に、「のぞむ」とか「人々に期待される事」といった意味がある「望」の漢字を合体させる事で誕生した言葉となっています。
以上の事から「欲望」は、「不足を感じてそれを満たそうと強く望む事」を意味する言葉です。
「渇望」とは?
「渇望」は、「かつぼう」と読むのが正解な読み方となっています。
漢字で書かれたこの言葉を見れば理解出来る事ですが、「のどがかわく」とか「水がなくなる」という様な意味を持つ「渇」の漢字に、「待ちのぞむ」や「願う」等といった意味の「望」の漢字を付け足す事で成立した言葉です。
だからこそ「渇望」は、「のどが渇いた状態で水を欲する様に心から何かを望む事」を表す言葉となっています。
「欲望」と「渇望」の違い
「欲望」と「渇望」の違いを、分かりやすく解説します。
「欲望」と「渇望」の漢字表記を並べた上で見比べを実行してみると、最初の漢字が「欲」と「渇」という違いがある事に気付けるものです。
逆に言えば2文字目の「望」の漢字は共通している上に、どちらも「強く何かを望む」という同じ意味を表現する言葉となっています。
ただし同じ何かを望むという意味でも違いを見出す事が可能であり、「渇望」の方は、のどが渇いた状態で水を欲する様に、という意味から、「欲望」よりも激しく切実に何かを望む様子を示すのです。
「欲望」の例文
・『私は酒を飲みたいという欲望と必死に戦っています』
・『彼は自分の欲望を満たすためには手段を選ばない所があるのです』
「渇望」の例文
・『その国の国民は今こそ英雄の登場を渇望しています』
・『国民の大半は戦争が終わって平和が訪れる事を渇望しているのです』
まとめ
2つの言葉には共通する漢字があるだけでなく、どちらも「何かを強く望む」という意味を指し示す言葉同士となっています。
とはいえ望む強さのニュアンスには違いがあり、「欲望」よりも「渇望」の方が、切実さが込められているだけに、より強く望んでいる状態を表すのです。