「オーケストラ」と「シンフォニー」はいずれも音楽に関する言葉ですが、意味が異なるため混同しないよう注意が必要です。
この記事では、「オーケストラ」と「シンフォニー」の違いを分かりやすく説明していきます。
「オーケストラ」とは?
「オーケストラ」は、「西洋音楽において、弦楽器や管楽器、打楽器、鍵盤楽器などを組み合わせた規模の大きな合奏」及び上記の合奏団を意味し、「管弦楽」や「管弦楽団」とも呼ばれます。
古代ギリシアにおける円形劇場の平土間“orchestra”が語源になったといわれています。
「シンフォニー」とは?
「シンフォニー」は「ソナタ形式による管弦楽のための大規模な楽曲」を意味し、「交響曲」とも呼ばれています。
古代ギリシア語で「共に」を示す“syn”と「音」「響き」を示す“phone”が語源とされ、18世紀以降発展し、ハイドンやモーツァルトといった音楽家によって確立されました。
そのほか、「異なった要素が混ざって何らかの効果を生み出していることの例え」という意味で使われることもあります。
「オーケストラ」と「シンフォニー」の違い
「オーケストラ」も「シンフォニー」も「西洋音楽」「クラシック音楽」に関する意味合いを持つ点は共通していますが、次のような違いがあります。
「オーケストラ」は「管弦楽」や「管弦楽団」とも呼ばれ、「管楽器や弦楽器、打楽器、鍵盤楽器などを組み合わせた大規模な合奏もしくはその合奏団」を意味します。
世界には様々な「オーケストラ」が存在し、1882年に設立され世界最高峰とも評される「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」、ウィーンの伝統的な奏法が伝承されている「ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」、重厚な響きが特徴の「ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団」などが有名です。
一方、「シンフォニー」は「交響曲」とも呼ばれ、「ソナタ形式による管弦楽(オーケストラ)のための大規模な楽曲」を意味します。
「第九」として親しまれているベートーヴェンの「交響曲第9番『合唱つき』」や、ドヴォルザークによる「交響曲第9番『新世界より』」、モーツァルト最後の交響曲といわれる「交響曲第41番『ジュピター』」などがよく知られています。
また、「シンフォニー」は「異なった要素が混ざり合い、何らかの効果を生み出すことの例え」という意味で使用される場合もあります。
まとめ
「オーケストラ」は「弦楽器や管楽器、打楽器、鍵盤楽器などを組み合わせた大規模な合奏及び合奏団」を示し、「シンフォニー」は「ソナタ形式による管弦楽のための大規模な楽曲」を示します。
双方の漢字表記についてもチェックしておきましょう。
ぜひ音楽に関する言葉の違いを知る参考にしてください。