「カビ」と「コケ」の違いとは?意味や違いを簡単に解釈

「カビ」と「コケ」の違いとは?言い換え

この記事では、「カビ」「コケ」の違いを分かりやすく説明していきます。

「カビ」とは?

「カビ」は、菌糸で構成された細胞を持つ「菌類」の総称です。

細胞は糸状の菌糸や胞子でできており、菌糸を伸ばしながら成長し、集合体をなして増殖していきます。

また、さまざまな種類があり、色、見た目、好んで繁殖する場所などは異なります。

植物ではないため光合成は行わず、日光が当たらない暗い場所でも、水分、栄養、温度などの条件が揃えば増殖することができます。

自然のあらゆるところに常在し、死んだ動物や枯れた植物を腐食させて分解するほか、私たちの住居や食べ物などに増殖して変質させたり、有用なカビ(酵母)として食品の加工に利用されたりと、さまざまな形で環境に影響を及ぼしています。

「コケ」とは?

「コケ」は、茎、葉、根の区別がない胞子植物、いわゆる「コケ植物」のことです。

胞子をとばして繁殖する胞子植物であり、光合成をして生きているので葉緑素があり緑色をしています。

また、水分を運搬する維管束がないために茎、葉、根のはっきりした区別がなく、地面や木の幹、建物の壁などを覆うように這って生えるのが特徴です。

ただし、広義に「コケ」と呼ばれる生物には、苔類に似た「地衣類」や維管束を持つ一部の種子植物なども含まれます。

「コケ」は半日陰の環境で自生するほか、庭園や盆栽を美しく仕立てる際に欠かせない存在であり、観賞や緑化を目的に栽培されることもあります。

一方、繁殖力が旺盛なため、外壁や屋根などの表面に勝手に繁殖して外観を損ねることも少なくありません。

「カビ」と「コケ」の違い

「カビ」「コケ」の違いを、分かりやすく解説します。

「カビ」「コケ」は自然界に広く分布し、水分の多い場所で表面を覆うように増殖するところが共通していますが、生物学上の分類、生態、見た目などにははっきりした違いがあります。

「カビ」は胞子と菌糸を持つ菌類の一種で、植物ではないので光合成は行いません。

光の当たらない暗い場所でも水分や栄養など一定の条件が揃えば増殖することが可能です。

そのため、住居の中でも水回りや押し入れなど多湿になりやすい場所には「カビ」がみられます。

一方、「コケ」は胞子を持つ胞子植物などで光合成できるところが「カビ」と異なります。

「コケ」は生きるために光が必要なため、「カビ」のように日の当たらない屋内で生育することはできません。

また「カビ」は種類によって色、繁殖する条件や場所などが異なりますが、「コケ」は光合成をするので全体的に緑色をしており、植物的な見た目をしているという特徴があります。

まとめ

「カビ」「コケ」は、どちらもじめじめした場所を覆うように生えるので仲間同士のように見えますが、生物学上の分類が異なっています。