「狂想曲」と「狂詩曲」はいずれも音楽や楽曲に関する意味を持ちますが、意味が異なるため区別して覚えておくことが必要です。
この記事では、「狂想曲」と「狂詩曲」の違いを分かりやすく説明していきます。
「狂想曲」とは?
「狂想曲」は「きょうそうきょく」と読む言葉で、「形式にとらわれない、滑稽味のある快活な楽曲」を意味し、「カプリッチョ」や「奇想曲」とも呼ばれています。
19世紀以降、気まぐれでユーモアな性質を持つ小曲につけられるようになったとされています。
「狂詩曲」とは?
「きょうしきょく」と読む「狂詩曲」は、「自由な形式による、民族的もしくは叙事的な性格を持つ器楽曲」という意味がある言葉です。
古代ギリシアの吟遊詩人によって歌われた叙事詩「ラプソイディア」に由来し、「ラプソディー」とも呼ばれています。
「狂想曲」と「狂詩曲」の違い
「狂想曲」も「狂詩曲」も「音楽用語」の一種で、「自由な形式で作られた楽曲」という意味合いを持つ点は共通していますが、次のような違いがあります。
「狂想曲」は「カプリッチョ」「奇想曲」とも呼ばれ、「形式に束縛されない、気まぐれかつ快活で滑稽味のある楽曲」を意味します。
「狂想曲」として有名なのは、メンデルスゾーンによる「カプリッチョ嬰ヘ短調」や、パガニーニによる「24のカプリス(奇想曲)」といった作品です。
一方、「狂詩曲」は「ラプソディー」とも呼ばれ、「自由な形式による、叙事的もしくは民族的な内容を演奏する器楽曲」を意味します。
「狂詩曲」といえばリストによる「ハンガリー狂詩曲」が有名で、その中でも特に「第2番嬰ハ短調」がよく知られています。
また、クラシック音楽とポピュラー音楽が組み合わさったといわれるガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」も名曲といわれています。
まとめ
「狂想曲」は「形式にとらわれない、滑稽味のある快活な楽曲」を示し、「狂詩曲」は「自由な形式による、民族的もしくは叙事的な性格を持つ器楽曲」を示します。
両者の別の呼び名も併せて覚えておきましょう。
ぜひ音楽用語の違いを知る参考にしてください。