この記事では、「アリアケギバチ」と「ギバチ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「アリアケギバチ」とは?
ナマズ目ギギ科に属する魚を意味する言葉です。
学名としては、「Pseudobagrus aurantiacus」と表記されます。
日本の九州西部、とりわけ長崎県壱岐に分布する日本固有種だと言えます。
口髭が4対あり、大きな脂鰭を持ち、尾鰭後縁の切れ込みは浅いことが特徴的です。
成長するにつれて薄れます。
水質の良い河川の中流域に生息し、夜行性で、夜は活発に泳ぎ回りますが、昼は岩の下や水草の間に潜みます。
雑食性で、小魚や水生昆虫を主に食べるほか、岩に付着した藻類も食べます。
「ギバチ」とは?
ナマズ目ギギ科に分類される魚を意味する言葉です。
学名としては、「Pseudobagrus tokiensis」と表記されます。
本州の神奈川県、富山県以北に分布する日本固有種であり、体は細長く、茶褐色から黒褐色で、鱗はありません。
上顎、下顎にそれぞれ2対ずつ合計8本の口ひげがあり、胸びれに1本ずつと背びれに2本、合計4本の棘を持ちます。
棘には毒があり、尾鰭の後縁がわずかにくぼむのが特徴的です。
幼魚には黄色味を帯びた明らかな斑紋があります。
流れがあり比較的水質も良い河川の中流域から上流域下部に生息し、夜間活動して水生昆虫や小魚などを捕食します。
「アリアケギバチ」と「ギバチ」の違い
「アリアケギバチ」と「ギバチ」の違いを、分かりやすく解説します。
「アリアケギバチ」と「ギバチ」は、見た目が似ているものの、いくつかの違いがあります。
「アリアケギバチ」は、九州にのみ生息しており、夜行性で、昼間は岩陰などで潜む魚のことです。
夜になると活動を始め、水生昆虫や小魚などを捕食します。
その一方で、「ギバチ」は、より広い範囲に分布しており、同じく夜行性ですが、生態や行動パターンに違いが見られます。
形態的には、「アリアケギバチ」は背鰭が長く、背鰭と胸鰭の棘が太く発達しています。
これに対し、「ギバチ」は背鰭と胸鰭の発達が弱いとされています。
また、「アリアケギバチ」のオスは細身でメスの2倍以上の大きさに成長する傾向があり、メスは寸胴な体型でオスよりも小さいと言えます。
「ギバチ」も同様の性差が見られますが、「アリアケギバチ」ほど顕著ではないと考えられます。
まとめ
「アリアケギバチ」と「ギバチ」は、似ているようでいて、生態や形態、遺伝的特徴において明確な違いがあると言えます。
「アリアケギバチ」と「ギバチ」の違いは、両種が別々の時代に繁栄したことを示唆しており、その理解は生物学的な観点からも興味深いものだと言えるでしょう。