「開放」と「解放」は類似した意味を連想してしまう紛らわしい同音異義語ですが、「開放」と「解放」の意味・使い方の違いを正しく理解できているでしょうか?
この記事では、「開放」と「解放」の意味の違いを詳細に解説していきます。
「開放」の意味や使い方
「開放(かいほう)」という表現は、「門戸・窓・入口などを開け放すこと」を意味しています。
「開放」には、「市場・貿易などの規制(締め出し)を無くしてやり取りを自由にすること」の意味もあります。
「開放」の表現の使い方は「夏は玄関を開放しています」のように、「物理的に門や窓を開け放す場合」に使うことができます。
また「市場開放によって経済が成長しました」のように、「経済活動・貿易の規制を無くして自由に売買できるようにする時」にも使うことができます。
「解放」の意味や使い方
「解放」という言葉は、「束縛・制約されている人や動物を解き放して自由にすること」の意味合いを持っています。
「解放」の表現の使い方は「連休で解放感を味わっています」のように、「束縛されている状態から解き放して自由にする場合」に使う使い方になります。
「開放」と「解放」の違い
「開放」と「解放」の意味の違いを、分かりやすく説明していきます。
「開放」という言葉は「門戸・入口・窓などを開け放すこと」や「経済活動などの制約・規制を無くしてやり取りを自由にすること」を意味していますが、「解放」にはそういった意味合いがありません。
「解放」というのは「束縛されていた人や動物を解き放して自由にすること」を意味していて、「開放」のように「物理的に門・窓などを開け放すこと」とは意味が違うのです。
そのため、歴史のテストなどで「奴隷解放」を「奴隷開放」と漢字表記すれば間違いということになります。
反対に、「窓を開放する」を「窓を解放する」、「市場開放」を「市場解放」と書けばこれも間違いになってしまいます。
「開放」は「物理的に開け放す・経済活動を自由化する」に意味の重点があり、「解放」は「束縛・制約されている人や物を解き放して自由にする」に意味の重点がある違いを指摘できます。
「開放」を使った例文と意味を解釈
「開放」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「中国は1990年代に市場を開放したことによって、経済成長のチャンスを掴み取ることができました」
この「開放」を使った例文は、「開放」の表現を、「市場の規制・締め出しを減らして、やり取りを自由にしたことで」という意味で使っています。
「解放」を使った例文と意味を解釈
「解放」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「独裁政権によって無実の罪で囚われていた人たちを解放しました」
この「解放」を使った例文は、「解放」の表現を、「無実の罪で囚われていた人たちを解き放して自由にしました」という意味を持つ文脈で使っています。
まとめ
「開放」と「解放」の意味の違いを分かりやすく解説しましたが、いかがだったでしょうか?
「開放」というのは、「門戸・窓などを開け放すこと」や「市場などの規制を無くしてやり取りを自由にすること」を意味しています。
それに対して、「解放」という表現は「束縛を無くして自由にすること・解き放して自由にすること」の意味合いを持っています。
「開放」と「解放」の意味の違いを詳しく調べたい時には、この記事の解説をチェックしてみてください。