この記事では、「油滴天目」と「曜変天目」の違いを分かりやすく説明していきます。
「油滴天目」とは?
油滴天目とは中国で作られた天目茶碗の一種で、器の表面に油が飛び散ったような斑紋が表れているものをいいます。
天目茶碗は中国の南宋時代に南部の窯で作られました。
天目釉と呼ばれる漆黒の鉄釉をかけて焼いた茶碗で、ごく稀に高温の窯の中で化学変化を起こし斑紋が表れたものが油滴天目になります。
斑紋が水面に浮かんでいる油の滴に似ているため「油滴」という名前が付いたのです。
当時の中国では鷓鴣斑(しゃこはん)呼ばれており、日本で油滴と呼ぶようになってから中国でも油滴という呼び名が定着しました。
「曜変天目」とは?
曜変天目も中国の天目茶碗の一種で、内側に星のようにも見える斑紋が散らばっているものをいいます。
斑紋の周りには群青色や紫色、青紫色など角度によって変化する光彩が見られます。
天目茶碗の中でも最上級とされ、完品は世界に3つしかありません。
その3つ全てが日本に存在しており、国宝に指定されています。
この美しい斑紋が意図的に作り出したものなのか、偶然生まれたものなのかは分かっていません。
曜変天目の「曜」には輝きという意味があり、その模様が宇宙の星のように輝いて見えたことから「曜変」と名付けられました。
「油滴天目」と「曜変天目」の違い
油滴天目も曜変天目も、中国の南宋時代に焼かれた天目茶碗の一種です。
椀の表面に現れた模様に違いがあります。
水面に油が浮いているような斑紋を持つのが油滴天目で、宇宙の星が輝いているような斑紋を持つのが曜変天目です。
天目茶碗の最高峰とされるのは曜変天目の方で、国宝にも指定されています。
まとめ
油滴天目も曜変天目も中国の天目茶碗の一種です。
水面に油が浮かんでいるような斑紋を持つのが油滴天目で、宇宙の星が輝いているような斑紋を持つのが曜変天目になります。
天目茶碗の最高峰とされるのは曜変天目です。