「酢酸菌」と「酪酸菌」はいずれも「菌」という漢字が使われた言葉ですが、意味が異なるため区別して覚える必要があります。
この記事では、「酢酸菌」と「酪酸菌」の違いを分かりやすく説明していきます。
「酢酸菌」とは?
「酢酸菌」は「さくさんきん」と読む言葉で、「アルコールを酸化して酢酸を生成する細菌」を意味します。
「酢酸」は「脂肪酸のひとつで、酸味と刺激臭を有する液体」を示し、「菌」は「バクテリアなどの微生物」という意味があります。
「酪酸菌」とは?
「らくさんきん」と読む「酪酸菌」は、「酪酸を生成する細菌の総称」を意味する言葉です。
「酪酸」は「短鎖脂肪酸の一種」などを表し、「菌」は「バクテリアなどの微生物」という意を示します。
「酢酸菌」と「酪酸菌」の違い
「酢酸菌」も「酪酸菌」も「バクテリアなどの細菌の一種」という意味を持つ点は共通していますが、次のような違いがあります。
「酢酸菌」は「アルコールを酸化することで酢酸を作り出す細菌」を意味し、主に黒酢や香酢、バルサミコ酢といった「食用酢」を生産する際に使用されます。
また、「カスピ海ヨーグルト」や「ナタデココ」「紅茶キノコ」などにも「酢酸菌」が含まれているとされています。
「酢酸菌」の原料には米や酒粕などが用いられますが、「酢酸菌」自体は花や果実など自然界にも存在しているようです。
一方、「酪酸菌」は「酪酸を作る細菌の総称」を意味し、最近では人体の腸に存在する「腸内細菌の一種」としても注目されています。
「酪酸菌」は腸に届いた食物繊維を分解することで「酪酸」を生成しますが、この酪酸は腸内を弱酸性にして腸内に存在する悪玉菌の生育を抑制し、ビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌が住みやすい環境に整える働きがあります。
なお、「酪酸菌」が含まれた食品は「ぬか漬け」や「臭豆腐」などに限定されるため、食事で摂取するのが難しい場合はサプリメントなどを利用する方法もあります。
まとめ
「酢酸菌」は「アルコールを酸化して酢酸を生成する細菌」を示し、「酪酸菌」は「酪酸を作る細菌の総称」を示します。
それぞれの特徴の違いについてもチェックしておきましょう。
ぜひ細菌類の違いを知る参考にしてください。