この記事では、「スター結線」と「デルタ結線」の違いを分かりやすく説明していきます。
「スター結線」とは?
三相交流の一つの結線方法を意味する言葉です。
各相の一端を一点に接続し、残りの端を負荷に接続する方法だと言えます。
この結線では、各相の電圧と線間電圧が異なり、線間電圧は相電圧の√3倍になります。
また、各相の電流と線電流は等しくなります。
「スター結線」は、中性点を持つことが可能で、不平衡負荷がある場合に中性点から地絡電流が流れることを許容するため、安定した電力供給できます。
「デルタ結線」とは?
三相交流のもう一つの結線方法で、各相の端子で三角形を形成するように接続する方法を意味する言葉です。
相電圧と線間電圧が等しくなりますが、線電流は相電流の√3倍になります。
「デルタ結線」は、各相が独立しているため、一相が故障しても他の二相で運転を続けることが可能な利点があります。
また、高い起動トルクを必要とするモーターなどに適しています。
「スター結線」と「デルタ結線」の違い
「スター結線」と「デルタ結線」の違いを、分かりやすく解説します。
三相交流における「スター結線」と「デルタ結線」の違いは、それぞれの結線方式によって相電圧と線間電圧の関係が異なる点にあります。
「スター結線」は、トランスの3つの巻線の片方を中性点に一括して接続し、他方から電源線を引き出す方式のことです。
相電圧は線間電圧の1/√3倍になります。
その一方で、「デルタ結線」は、トランスの3つの巻線の交点から電源線を引き出し、3相3線式となるため、相電圧と線間電圧が等しくなります。
つまり、デルタ結線方式で三相200Vと記載されている場合は、線間電圧と相電圧がそれぞれ200Vになるわけです。
さらに、スター結線は3相4線式も可能で、中性点も線として引き出すことが可能ですが、電気的な性質に違いはありません。
これらの違いは、とりわけ産業機器のグローバル販売においてノイズ対策を実施する上で重要なポイントです。
まとめ
「スター結線」と「デルタ結線」という結線方法は、それぞれの用途や特性に応じて選ばれ、電力システムにおいて重要な役割を果たしています。
スター結線は一般的に配電に、デルタ結線は動力伝送や重負荷機器の接続に使用されます。
どちらの結線方法も、三相交流を効率的に利用するための工夫と言えるでしょう。