この記事では、「ヌマムツ」と「オイカワ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ヌマムツ」とは?
「ヌマムツ」は、流れのゆるい河川に生息する、コイ科カワムツ属の淡水魚です。
「ハヤ」とも呼ばれます。
以前は同じカワムツ属の「カワムツ」と同種に分類されていましたが、側線鱗や側線上方横列鱗の数が互いに異なることから「カワムツ」とは区別されるようになりました。
主に西日本の流れの弱い河川や用水路に広く生息し、水質があまり良くない沼にも生息します。
このことから海に生息する「ムツ」に対し、流れの速い河川ににすむのが「カワムツ」、沼地にも住むのが「ヌマムツ」と名付けられました。
「カワムツ」は全長約15cm、体色は淡く、濃い青色の縦帯があるのが特徴です。
一般に食用向きではありません。
なお、近縁種の「カワムツ」や「オイカワ」と交雑が起こりやすいのですが、レッドデータにも指定されています。
「オイカワ」とは?
「オイカワ」は、流れの速い河川に生息する、コイ科ハス属の淡水魚です。
「ハヤ」「チンマ」など地域によって様々な呼び名があります。
主に西日本の流れが速く日の当たる河川や湖に生息します。
「オイカワ」という呼び名の由来については諸説がありますが、流れの速い川を上流に向かって追うように泳ぐ、追いかけて捕ることからそう呼ばれるようになったとも言われます。
「オイカワ」は全長約15cm、体色は淡く、鮮やかな青とピンク色の模様が美しいことから鑑賞魚として人気があります。
また、食用に適しており、唐揚げ、天ぷら、ちんま寿司などにして食べることが多くなっています。
「ヌマムツ」と「オイカワ」の違い
「ヌマムツ」と「オイカワ」の違いを分かりやすく解説します。
これらはコイ科に属する淡水魚で近縁種の関係にあたり、どちらも「ハヤ」と呼ばれることがあります。
また、生息する地域が重なることがあり、見た目も似ています。
大きな違いは、「ヌマムツ」はカワムツ属、「オイカワ」はハス属と生物学上の分類が違うところです。
また、側線鱗や側線上方横列鱗の数も異なります。
「ヌマムツ」は「オイカワ」より体色が地味で真ん中に濃い青色の縦帯があり、「オイカワ」は青、ピンク色の体色が鮮やかです。
また、「ヌマムツ」は流れの緩やかな水域、「オイカワ」は流れの速い水域を好むところも異なります。
ただし、「カワムツ」「ヌマムツ」「オイカワ」の間で交雑が起こりやすく、見かけてもはっきりした種類が分からないこともあります。
まとめ
「ヌマムツ」「オイカワ」は国内の身近な河川で目にすることのある淡水魚です。
近縁種で見た目が似ていますが、比較してみると分類、外見の特徴などに違いがみられます。