「厚意」と「懇意」はいずれも「意」という漢字が使われた熟語ですが、意味が異なるため混同しないよう注意が必要です。
この記事では、「厚意」と「懇意」の違いを分かりやすく説明していきます。
「厚意」とは?
「厚意」は「こうい」と読む言葉で、「人を思いやる心」や「親切心」を意味します。
漢字の「厚」には「厚みがある」「てあつい」「豊かにする」といった意味があり、「意」には「気持ち」「心」「考え」などの意味が含まれています。
「懇意」とは?
「こんい」と読む「懇意」は、「親しいこと」「仲良く交際していること」を意味する言葉です。
また、「親切な心」という意味もあわせ持っています。
「懇」は「心をこめる」「うちとめる」などを表し、「意」は「心」「思い」「気持ち」といった意を示します。
「厚意」と「懇意」の違い
「厚意」も「懇意」も「親切な心や思い」という意味合いを含む点は共通していますが、次のような違いがあります。
「厚意」は「人を思いやったり、親切にしたりする心」を意味し、主に「他者の思いやりの気持ちを敬って表現する言葉」として使われています。
一方、「懇意」は「親切な心」という意味を持つものの、現在では「親しい間柄であること」「仲が良いこと」という意味で使われる機会が多い言葉です。
「厚意」の例文
「厚意」は「厚意に甘える」「厚意に感謝する」のように用いられます。
「他人の親切心を敬って言う状況」で用いられることが多く、直前に敬意を示す「ご」をつけて「ご厚意」のように表現することもあります。
・『先輩の厚意に甘えて食事を奢ってもらった』
・『日頃のご厚意に大変感謝しております』
「懇意」の例文
「懇意」は「懇意にしている」「懇意な仲」のように使用します。
なお、「親切な心」という意味で使われる機会は非常に少ないといえます。
・『その友人とは20年来懇意にしている』
・『彼女とは子どもの行事がきっかけで懇意な仲になった』
まとめ
「厚意」は「人を思いやる心」「親切な気持ち」を示し、「懇意」は「親しい仲であること」「仲良く交際していること」「親切心」を示します。
双方の使い方もチェックして、TPOに合わせて使ってみてください。